最近テレビを見ていると、ハンドボールというスポーツに注目が当たっていますね。クウェート、アラブ首長国連邦なんて国が強豪国ということになっています。サッカーでもこういうアラビア半島の国が強いということが最近のトレンドです。


 こういうので、チーム編成を見ていつも思うのは「そもそも、この人達は何処の国出身の人だろう?」ということなんですね。例えば、カタールなんてのは人口が80万人程度ですが、純粋カタール人は10万人くらいで、後はインド系、パキスタン系が多いです。こういう国で、しかも原油収入でかなり儲かっている人達がハングリーにスポーツに打ち込むことはまずありません。


 大体、見ているとどのスポーツであっても、アフリカ出身の選手が多いようです。スポーツが出来れば、どんどん国籍を与えて、自国の選手として活躍させ、そして世界的に名前を売っていく、これが今のアラブ諸国(特に小さな国)の戦略のように思えます。時折、明らかに東欧系のカタール選手を見ることもあります。まあ、別にそれが悪いというわけではないのですが、個人的には「ちょっと違和感あるなあ」というのは拭えません。


 その証左に、勝った後の国歌斉唱では殆ど口が動いていません。多分、曲も知らないし、言葉も出来ないので歌えないのでしょう。実は昔、フランスでも似たようなことがありました。あの国もスポーツさえ出来れば、どんどん国籍を出していたことがあり、極右政党の党首ジャンマリー・ルペンから「ラ・マルセイエーズ(国歌)も歌えない選手がいる」と激しく批判されていました。パロディーで「Bienvenue en France, ・・・si vous etes utiles(フランスへようこそ・・・、あなたが役に立つのなら)」と皮肉られていたのを思い出します。


 こういうのは「国籍」というのをどう捉えるかというのが根本にある問題です。本来はアラブ諸国の持つ憲法は国籍条項が厳格なことが多いのですが、殊スポーツについては緩やかに解釈しているようです。アラブ諸国(特に湾岸諸国)でスポーツが強い国は注目してみてください。大体「???」と思うような選手がたくさん混じっているので。