防衛利権関係で秋山直紀という人物が注目されています。山田洋行から1億円をコンサルタント料として貰ったといった話で「防衛利権のフィクサー」という取り上げられ方をしています。なお、同人が何らかの不正な行為をしていたのかどうかについては、私は分かりません。


 ただ、私は一度この秋山という人に会った(という程のものではないのですが)ことがあります。場所は永田町の国会議員会館の後にある事務所でした。都心一等地のマンションの1室が綺麗に整備されていて、事務所代わりになっていたように記憶しています。まあ、私の見立てでは月100万円の家賃といったところでしょう。私は同人が事務所で主催する勉強会(と銘打った昼食会)のようなものに代理で出席したのですが、そこには元防衛庁長官が複数名来ていました。あまりに良い弁当が出てきたので驚いたのも記憶に残っています。別にこれ自体は不正でもなんでもないのですが、金回りの良さが印象的でした。年に1回、防衛関係装備のシンポジウムみたいなものをやっているようで、これまたかなりの有名人が有名ホテルに盛大に出席するシンポジウムでした(内容は非常にしっかりしたものでした)。


 私が霞ヶ関や永田町にいた際に、「この手の」御仁に会うことが何度かありました。「この手の」というのは大まかに言って以下のような特徴があります。


● スーツは地味目を避け、非常に遊び心のあるものを着ている。

● 名刺は複数の種類を持っていることが多い。

● 何故かは分からないが、非常にお金を持っている(ように見える)。かなり派手に飲み歩く。

● 口を開けば、ポンポンと政治家の名前が出てくる。しかも、親密さを暗に強調する口調で。

● そして、自民党本部や議員会館の中を闊歩している。


 一番不思議だったのは「(少なくとも表向きの)金回りの良さ」でした。私はそのあたりの金銭感覚がよく掴めなかったので、漠然と「この永田町には色々なお金が埋まっているのだろう、きっと」くらいの思いしかありません。今でもよく分かりません。ちなみに、いわゆるNGOと呼ばれる団体の人の中にもこういう感じの人がいることが時折あります(政治家と近いNGOというのは、私はどうも苦手でした。)。


 格好よく言えばロビイストとでも言えるのかもしれません。何処の国にも似たような人はいます。フランスにいた時も、何やっているか分からないけどフィクサー的に動いている人に会ったことがあります。興味深いのは上記のような特徴がある程度は当てはまったということです。私個人としては、総じてあまり良い印象はありません(人としては面白い人が多いですが)。


 永田町あたりを歩き回ってもお金にならないような政治が本当は理想なんでしょう。綺麗事なんですかね、こういうのは。