最近、とある高齢者介護施設でボランティアを何回かやりました。といっても、私のような不器用な人間に出来ることは限られるので、実態は限りなく「(周囲の方に迷惑をかけつつの)体験実習」になりました。
(まめまめしく配膳の準備をする三角巾+エプロン姿の私。拙さが写真を通じて見えてくるようです。)
当たり前のことですが、実際にやってみると机上では見えないものがたくさん見えてきます。ちょっとした階段がきつい、食べ物にも多くの制限が出てくる、認知症の方との会話の仕方の難しさ、なかなか得がたい、そして自分が政治を志す際に重要な経験をしています。また、施設の方と話して、どうやって楽しい、安全な環境を作ることに腐心しているか、実感させられました。
かなりご高齢の方に「あー、お兄さん、あの俳優に似とるねえ・・・」と言われたので、「Hmmm?俳優?誰だ?」と思っていたら、「・・・そうそう、長谷川一夫」と言われ、「うーん、それはかなりレトロだな」と思いましたが、ここで否定形で返してはならないので、すかさず「そうね、それじゃあお婆ちゃんはさしずめ山田五十鈴かねぇ?」と返したら非常にウケました。ある程度洒脱なセンスがないと会話が無味乾燥に陥ってしまうのですね。
ともすれば、介護の世界は霞ヶ関からは「ビジネスとしてどう立ち行くようにするか」という視点が先に立って、現場との乖離が目立つようになることが実感を持って分かりました。この分野は自分にとってはまだまだ学ぶことが多いと思っています。