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 今年、ヒットしているCDに「R35」 というのがあります。「もう一度妻を口説こう」という副題で、1990年代前半のヒット曲を並べたオムニバスです。来年1月に35歳になる私は丁度購買層にバシッとはまるので買ってみました。


 1991年大学入学ですので、大学生時代に流行った曲ばかりです。大学時代は(そして今も)モテない男の典型でしたので、こういう曲にあまり深い思い入れがないのがちょっと残念です。


 聞いていて思ったのは「バブルの時代だったよな、この頃は」ということです。根拠はあまり示せないのですが、音楽全体に「バブル」の臭いを感じます。私の経験があるからそう聞こえるのかもしれませんね。今の若い人にはこのCDはどう聞こえるのかな、とても関心があります。


 この頃くらいから音楽に対する嗜好がとても多様化していったように思います。「ザ・ベストテン」が終わったのがたしか1989年です。ああいう番組や紅白歌合戦で音楽に対する嗜好がある程度統一的に把握できる時代が終わり、色々なタイプの音楽が正当にそれぞれの分野で評価されていくようになっていきます。音楽だけじゃなく、あらゆる分野で趣味や嗜好が多様化していき、中森明夫が命名したオタクが市民権を獲得していく時代でした。「R35」の中に、嗜好が多様化するプロセスの真っ只中である時代性を感じたりします。


 単に懐かしいというだけでなく、時代性をあれこれと考えさせられました。そういえば「愛が生まれた日」で藤谷美和子とデュエットした大内義昭さんはこの北九州市出身で、今も当地で活動していることも初めて知りました。