最近、多忙の中にささやかな時間を見つけて「ウルトラQ」 に凝っています。もう40年以上前の作品ですが、これほどまでに現代性と社会性のある特撮モノは珍しいです。私の中ではウルトラQとウルトラセブンのレーティングが非常に高いです(そして、ウルトラマンタロウのレーティングが非常に低いです。)。ウルトラセブンでは地球からの超爆弾R1号によって母星を爆破されてしまったギエロン星獣(これは以前書きましたが 核軍拡の世界をこれほど的確に捉えた物語はありません)、地球の先住民(とされる)ノンマルトの話が考えさせられます。
ということで、昨日寝る前にウルトラQの最終話「あけてくれ」を見ていました。最終話といっても、別に怪獣を退治するようなストーリーではないので、ウルトラセブン最終回のようなモロボシダンとアンヌの劇的で哀しい物語があるわけではありません。
内容はあまり書くとネタバレになるのですが、佐原健二(万城目淳)と桜井浩子(江戸川由利子)のほのかな恋愛関係を感じさせるところからスタートします。しかし、いつも思うのですが何故かウルトラシリーズに出演した俳優、女優はその後の人生で悪役をやっている人が非常に多いのです。ハヤタ(ウルトラマン)、モロボシダン(ウルトラセブン)、郷秀樹(帰ってきたウルトラマン)、おおとりゲン(レオ)はその後、時代劇などで悪役が多かったです。桜井浩子も悪女役が多かったように思います。そうやって考えると(私のレーティングが低い)ウルトラマンタロウの主人公だった篠田三郎は例外的かなと思います。
ストーリーはあまり書きませんが、社会に疲れた人間が現実逃避しようとすると列車に閉じ込められて別世界に送られてしまう、そんな話です。その列車に閉じ込められた人がガラス窓の向こうで「あけてくれ」とひたすら叫んでいるんですね。日々のストレスに倦む現代人の姿を示唆しているかのような内容です。とは言っても、正直なところ何をメッセージとして伝えようとしているのか、なかなか奥が深くて今日一日考えさせられました。
ちなみにこの「あけてくれ」で使われている列車は小田急のロマンスカーだったと思います。と言っても、今のロマンスカーとは大違いで40年の時代を感じます。
このウルトラQ、全話のうち半分くらい見終わったところです。勿論、特撮技術とか音響なんかは現代の技術に到底及びませんが、それを補ってあまりあるストーリー性があります。環境問題、拝金主義、社会性ストレス、人口過密、(生物の)異常変異など現代社会にも繋がるような警句を多く含んでいると感じます。一番の疑問は「当時の少年に理解できただろうか?」ということですね。いずれにしても面白いですよ、是非レンタル等で見てみてください。