先日、スイスにある「新世界の七不思議財団」が新世界の七不思議を発表しました。こういうのが好きな私はすぐにチェックしてみました。


○ 万里の長城
○ ローマのコロッセウム
○ メキシコのチチェン・イツァ
○ リオデジャネイロのコルコバードの丘に立つキリスト像
○ タージマハル
○ マチュピチュ
○ ヨルダンのペトラ


 残念ながら清水寺は選に漏れてしまいました。まあ、この顔ぶれを見てしまうと「残念ながら少し見劣りするかな」という気になるのが正直なところです。フランスに至ってはエッフェル塔を挙げていたようですが、正直なところ「論外」だと思います。


 ところで、元々の世界の七不思議で現存しているのがギザのピラミッドのみですから、全部で8つとして考えて見てみると色々気になることが出てきました。ちなみに私はピラミッド、万里の長城、チチェン・イツァ、タージ・マハル、ペトラで5つ行ったことがあります。欧州に住んでいたことがあるくせして、イタリアだけは頑として近寄りませんでした(あまり好きじゃないのです)。


 まず、この中で絶対に当確というのは、万里の長城、タージ・マハル、マチュピチュ、ペトラ、ピラミッドくらいです。ここまでは本当に「Wonder(不思議)」の部類に入ると思うわけです。多分、一番馴染みがないのがペトラでしょう。たしか「インディジョーンズ・最後の聖戦」の舞台に使われたのではなかったかと思います。切り立った岩に宮殿を掘り込んだと説明すると伝わりにくいですが、そんな感じです。シルヴェスター・スタローンがランボー3を撮影したのもこの付近だったと思います。余談ですが、スタローンはペトラの近くにある死海で「オレは強い」と過信したのかどうか分かりませんが目を開けてトンデモない目にあったそうです。


 私ならイースター島のモアイ、アンコールワット、ストーンヘンジの方が色々な意味で「Wonder」だと思います。そうならなかったのは理由があると思います。簡単に言うと地理的な配分とかがあったのではないかと思うわけです。例を挙げれば、やっぱり北米から一つは入れなきゃいかんだろうと思えば、その時に挙がるのはどうしても自由の女神ではなくてチチェン・イツァになります。これはメキシコのマヤ文明を代表するピラミッドです。2004年にWTO閣僚会議がカンクンという街であり最終的には決裂したのですが、私は決裂後、超強引な日程でチチェン・イツァまで往復500キロの行程をこなして行ってきました。勿論素晴らしかったのですが、観光地化も甚だしく、まあ地球全体を鳥瞰してその7つの「Wonder」に入るとまでは言えなかったように思います。


 欧州、北米、南米、アジア(中国文明)、インド亜大陸、アフリカ、中東というところを満たしつつ、しかもキリスト教、仏教、イスラームをすべて含み・・・と、あらゆる要素を勘案してみたらこういう7つが選ばれただけのような気がします。万里の長城が入ったから、アンコールワットは落選、イースター島(チリ領)のモアイは、マチュピチュが当確で、ブラジルに配慮してキリスト像を入れてしまうと、南米で3つ目になるので落選。異教徒の産物ストーンヘンジもローマ帝国に敗北ということでしょう。


 そうやって見ていくと、やっぱり「これは文句なしにスゴいのだ」というのはきっとマチュピチュなんだろうと感じました。こればかりはどういう選考過程であっても、誰の後押しもなくても絶対に当確なんだろうと思います。行ってみたいんですが、こればかりは時間が掛かるのでどうしても難しいですね。


 世界の新七不思議、私はその中立性や平等な視点からの判断にかなり疑問符を付けています。政治的な判断が先に立つのならやらなければいいのです、こういう企画は。