なんでも、この街北九州には幾つか「文教地区」、「教育の良い街」と言われる中学校区があるみたいです。ローカルネタになりますが、若松区の高須中学校と小倉南区の守恒中学校というところがそれに該当するということでした。


 まあ、簡単に纏めると新興住宅街なんですね、この2つの中学校の校区は。30年前には本当に何もない地域でしたが、種々の事情から大規模に開発され、今ではとても瀟洒でリッチ感溢れる高級住宅が立ち並んでいます。収入の多い方々が住んでいるのでしょう。収入が多いと塾とか教材とかに割ける金銭的余裕も出来てきて進学率が高まる、そういう良くある構図のようです。私の行っていた東筑高校は(そんなに大した学校ではありませんが)一応北九州西部の進学校とされているのですが、1学年350人中、年によっては70人くらい高須中学校から来ると聞かされ驚きました。守恒中学校から(北九州東部での進学校である)小倉高校への進学も非常に多いそうです。


 ただ、こういう構図が自動的に出来上がるわけではありません。新興住宅街がすべて文教地区になるのであれば、そんな良いことはないでしょう。誰がそう仕立て上げたのか・・・、よくよく調べてみるとどうも「不動産業者」のようでした。やっぱり、親の一番の関心は自分の子供の学業のようで、新しく切り拓く住宅街を「文教地区・進学率高し」と売り込まれると心情的にクラッと来るみたいです。不動産業者側も新興住宅街で案件をできるだけ売らなきゃいけない時、思いつくのは「文教地区」というキャッチフレーズだったのかもしれません。これらの地域というのは、自ずと「教育の良い街」という評判が立っているので住宅価格も上がり、色々な意味で相乗効果が出ているみたいです。


 「不動産業者が作る文教地区」、何となく変な感じです。「不動産業者が喧伝したから文教地区になった」のか「文教地区だったから不動産業者が目をつけて更に売り込んだ」のか、鶏と卵の議論のようで、どちらが原因でどちらが結果なのかが判明しませんが、それが社会の現実なのかもしれませんね。