年金で5000万件の保険料納付記録が不明になっていることについて、安倍総理が「歴代社会保険庁長官の責任を明らかにする必要がある」と言ったそうです。これを受けて渡辺行革相は「歴代長官の退職金を返還させるとか、天下りあっせんを禁止するということがある」と指摘したそうです。


 これってちょっと違和感があるんですよね。何故「社会保険庁長官」なのでしょうか。外庁の長官とは言え、厚生労働省的にはナンバー3くらいの位置にある人です。何故「歴代厚生(労働)大臣の責任を明らかにする必要がある。」と言わないのでしょうか。


 ここ10年の厚生(労働)大臣は以下の方です。
・ 小泉純一郎
・ 宮下創平
・ 丹羽雄哉
・ 津島雄二
・ 坂口力
・ 尾辻秀久
・ 川崎二郎
・ 柳澤伯夫


 こういう時に社保庁長官の責任を問うということは「大臣は年金行政に対して最高責任者ではないのだ」と認めるもののような気がしてなりません。そこまで言うのは言い過ぎでも、こういう時にお役所にだけお鉢を廻すというのは、正しい政官関係を長期的に築いていく上で正しくないような気がしてなりません。政治がイニシァティブを発揮する政優位の時代を望むのであれば、責任についても政優位でないといけないと思うのですが・・・。


 まあ、安倍総理が「歴代厚生労働大臣及び社会保険庁長官の責任を明らかにする」とはとても言えないですけどね。