先日、街を歩いていたときのことでした。信号を待っていると、私の隣に視覚障害の方がおられることに気づきました。私の感覚では「ちょっと危ないな」と思いながら見ていると、やはりちょっと行く方向などが危ういように見えたので、「お手伝いしましょうか」と声を掛けました。そして、一応行く方向を伺いながら、私なりに誘導してみました。


 これが大失敗でした。その方が通常の感覚で掴んでいる距離感、杖で感じる触感などを無視して誘導してしまったため、数十メートル行ったところで途方に暮れてしまったのです。私が余計なことをしなければ、(危ういながらも)通常の感覚で歩いて進んで行き、そして目的地に到着できたはずだったのです。相手からすれば「ありがた迷惑もいいところ」だったでしょう。結局、しばらくして大体の距離感や場所の感覚を取り戻していただいたので事なきを得ましたが、それにしても私は単なる邪魔者でした。


 表面的な親切心は時に有害ですらある、そう感じました。