最近、大声で話すことを求められる機会が増えました。しかも、ある程度、多様な話題を織り交ぜながら意味が通じるように(私が何をやっているかは想像にお任せします。)。


 これ、難しいのです。大声で話すというのはそれだけで神経の相当な部分を使います。大声を出しながら考えるというのがかくも難しいものかというのを痛感します。話題を織り交ぜながらある程度論理的に話そうとする試みはよく失敗します。大声を出してあるテーマを話し終わると、突然頭の中が真っ白になって「あれっ?」という感じになります。頭が真っ白になるになると大体復活するまでに3~5秒はかかります。


 ただ、これは練習することでクリアーできるようです。まず最初は、覚えられるくらいの定番の原稿(2行から3行程度)のものを5から10個覚えて、それを繋ぎ合せてみる、これだけで相当カタチになります。まずは暗記からスタートして慣れてきたらアドリブを入れるようにする、これでいいわけです。本当はそこから先に「抑揚を上手くつける」という別の能力が必要になりますが、これは個人のキャラクターも相当に影響するようです。


 今、私の側に「大きい声で論理的に話し、時と場所に応じて話題を変えながら人を惹きつける」のが上手い政治家がいます。その実力たるや相当なレベルです。日本にいる政治家の中であれより上手い人というのはあまりいないでしょう。我もかくあらんと思うのですが、もう少し脳の中に引き出しを増やしていかないと難しいようです。


 なお、この能力については「オレは賢いから大丈夫」と思っている人ほどダメなようです。お役人出身の政治家の演説が総じて下手なのは、「オレは賢い」とプライドが高いため、「そんなことはやればできるようになる」と思うせいです。最近、とあるお役人出身の首長候補者を見かけることが多いですが、明らかに演説の練習不足が見て取れます。


 「変なプライドは捨てて、アホのように暗記したものを繰り返す」、最近の私の課題です。