最近、とある事情から元中央官庁局長OBを観察する機会が多いのですが、いくつか気づいた点がありました。それ程真新しいわけ話もないのですが、一般社会ではあまりに特徴がリアルに出ているのに気づきました。大体、役所に長くいる人はこういう傾向があります。


1.笑うのがヘタ
 ともかく硬い。「笑ってください」と言われて、すぐに写真用スマイルをすることはまず無理です。大体、目の周りだけで笑おうとして怪しい人間になるか、大笑いしている顔になるかのどちらかです。上手に笑うことがなかなかできません。私も最近、友人のカリホという男に写真を撮ってもらったのですが、その中に笑った写真があります。あとで見てみて失望しました。ここに載せようかと思ったのですが、あまりに表情が硬くわざとらしいので止めます。かつて、唐沢寿明は売れない時代に、鏡の前で笑顔を作る練習をしたそうです。「オレも練習してみるかな」と思い始めています。


2.話が堅い
 大体、役所の中に長くいると一般の人に分かりやすく話すのが下手になります。相手を論理で説得する場合か、こちらから一方的に相手に話す場合が大半なので、感情に訴える話をすることが苦手になります。話のうまい人間というのは、決してジョークを言うわけではありません。相手の感情の流れを見ながら、平易な言葉でしかも感情に訴える文句と抑揚を入れながら話す人が上手いのです。
 なんでも認知症になり易い職業というのは学校とか病院の先生らしいです。一方的にメッセージを相手に伝えることになれており、対話するために脳ができておらず認知症になりやすいようです。役所の局長にも似たようなところがあるかもしれません。


3.幾つかの特徴的な動作
 一番、私が興味をそそられたのは「車に乗り込む時」です。説明するのが難しいのですが、大体こんな感じです。姿勢良くドアを開ける→おもむろ右足を上げる→右足から入り、最後に頭が入る。一番、偉そうに見える乗り方です。この乗り方をしていると「あー、エラい人が車に乗ってるな」というのが分かります。ちなみに政治家でこの乗り方をする人はむしろ少数派です。政治家は頭から車に突っ込んでいく人が比較的多いように思います。この違い、分かっていただけますかねぇ。

 他にも歩き方とか、エレベーターの乗り方、メシの食べ方とか色々あるのですが、いざ役所を離れて観察してみるとなかなか面白いです。


 ちなみに、上記の話はあくまでも一般論です。お役所の局長経験者でも、とてもこなれた人はいます。私が尊敬する外務省の某局長は、ちょっとキューピーちゃんっぽいところも含めて、上記の類型からはかなり外れています。そして立派な人です。