地元に戻ってきて、とても「会ってみたい」と思う女性が一人います。というと「初恋の人か?」と思うかもしれませんが、残念ながら違います。幼稚園の先生です。


 名前は竹下先生だったのですが、旧姓なので今では別の名前になっているはずです。住んでいる場所も大体分かるのですが、結婚後の姓が分からないので探すのにも限界があります。


 私は緑ヶ丘第二幼稚園のもも組(年少時)、さくら9組(年長時)でした。その間、竹下先生にはお世話になりました。丁度、物心が身に付き、毎日が連続した時間として認識できる時期です。私は記憶力が良いので、何となく幼稚園時代の頃の出来事も幾つか思い出せます。


 そんな幼稚園時代、何故か母も「よく覚えている」と主張しています。なんでも私はしょっちゅう寝坊するので、送迎バスに間に合わずに歩いて連れて行ったとか、幼稚園で不覚にも粗相をしてしまい、幼稚園常備の女物のパンツを履かされて帰ってきたとか、それはそれは楽しそうに話しています。「変なことばかり覚えてるんだよな。」と、私の目の前で勝手に笑っている母を恨めしく思います。


 そんな母の話はともかくとして、竹下先生、30年の時を経て是非お会いしたいという思いが強く湧き上がってきます。もう55歳くらいでしょう。今の私を見て、どう思うかは分かりませんが、まあ「でかくなった」ことだけは確実です。


 姓が分かれば、後はゼンリンの地図で丹念に当たりを付けていけば見つけられると思うんですけどね。今度、緑ヶ丘第二幼稚園まで行って教えてもらおうかと思っているところです。


 「もし会えたら何を話そうか。」、夢は大きく頭の中を駆け巡ります。