カラオケ、日本の誇る文化と言っていいでしょう。最近、私もよく「一曲どうぞ」と言われます。これ少し対応に窮するんですね、これ。2つ理由があります。


 まず、ここ10年くらいの曲が全くだめなのです。私が外国に出たのが1995年。その頃に流行っていたのはスピッツのロビンソンでした。安室奈美恵はまだスーパーモンキーズと一緒でした。戻ってきたのが1999年、少なくともこの4年間はすっかり抜けています。しかも、その後もあまり強い関心を持ってフォローしなかったので全然ダメです。土曜夜に「Countdown TV」を見ても、5人くらいしか分からなかったりします。


 あと、最近「一曲どうぞ」と求められるときは比較的高齢の方々との会合が多いのです。ここで若い歌を歌っても白けるだけなので、超ド演歌で行く必要があります。こちらの方はちょっと特訓しました。といっても、愛車キューブに古いCDを積んで聞いているだけですが。気に入っているのは竜鉄也の「奥飛騨慕情」と梅沢富美男の「夢芝居」です。あと、吉幾三の「雪国」も好きなのですが、あれは歌っていると「プライベートに問題を抱えているのか?」という質問を受けるという弊害があることに最近気づきました。ちょっとウケを狙うときは青江三奈の「伊勢佐木町ブルース」にもトライするようにしています。これは私が生まれる前の曲なので、知っているという事実だけで「君、やるな」という評価が頂けたりします。

 

 本当は、一番心地よく歌えるのは、大沢誉志幸の「そして僕は途方に暮れる」なんですけどね。これは若い人相手でも、高齢者の方相手でも全く通用しません。日清カップラーメンを食べながら聞く「そして僕は途方に暮れる」は渋い気持ちになります。アフリカの大地で時々やっていました。