コカコーラ、私は小さい頃からあまり飲みませんでした。別に「骨が溶ける」とかいう社会的警告を受けてやめておいたということではないのですが、小さい頃は「ちょっと高価なものに思えた」ということがあり、大学時代や就職してからは「太るしな」と思ったことがあります。


ただ、人生の中で「そういえばよくコカコーラ飲んだよな」と思える時期があります。アフリカ勤務時です。暑いところに行くと、正に「清涼飲料水」を身体が欲するようになります。気温が40度近かったりして、モワモワするところで汗だくになって寝ているとコカコーラの一本でも飲みたくなるものです。ホントによく飲んでいました。たしか、一瓶30円くらいではなかったかと思います。


さて、あのコカコーラ、中身の原価はいくらくらいなのかということなのですが、私が飲んだコカコーラの中で最も安かったのは・・・、


一瓶8円(くらい)です(瓶は返却)。


あれは2001年にウズベキスタンに行った時のことでした。ボハラという歴史的な都市を観光していた時、炎天下でとてつもなく暑かったのでコカコーラを買ったのですが、値段が60スム(スムはウズベキスタンの通貨)でした。当時、実勢レートが1ドルが770スムでした。1ドルが100円強の時代だったので、仮に1ドルが110円で計算しても、60×110/770=8.6円という計算になります。一瓶300mlで8.6円、そんなものなのかと感心してしまいました。たしか、かの国では当時コカコーラ利権はカリーモフ大統領の娘が握っていたのではないかと思いますが、「そんなんで利権になるんかい!」と思うくらいの値段です。


ただ、一旦60スムという金額が頭に入っているので、次の店で「一瓶75スム」と言われると、緒方青年の値切り根性に火がつくわけです。冷静に考えると、75スムでも11円弱ですから日本円にして3円の違いです。しかし、緒方青年は頑張りました。私「さっきの店では60スムだったぞ、高い!」、店のおっちゃん「じゃあ、70スム」、私「いや、65スム」、おっちゃん「いや、70スムからはびた一文まけない」・・・、ということで緒方青年は敗北して70スム払ってしまいました。1.4円くらいの敗北ですが、今思いなおせば大人気なかったかという気がしなくもありません。ただ、あまり気前欲やりすぎると「日本人はカモだ」と思わせてしまい、結局後の観光客に迷惑をかけるので、いつも途上国では心を鬼にして値切り交渉をやることにしています。


それにしても輸送費から手間賃からすべて含めて、一瓶8円強。市場支配のために一時的にダンピングをしていたような気配もありませんでした。ホント、コカコーラって中身はタダに近いのね、と思います。


最近、日本でも暑い時期になるとコカコーラに手を出すようになりました。飲むたびにアフリカとウズベキスタンを思い出します。