(その1)で触れた「食品の裏側」という本にもあったのですが、今日のテーマはこれです。


(特にメーカー名等、よく見えないので消していません。)


今、コーヒーを飲もうと思ったら必ず付き物の例の白い液体です。私なんかは「ブラックは胃に悪いから、やっぱりミルク入りじゃなきゃな」と思って入れます。しかし、袋を裏返してみて笑ってしまいました。この手の液体、牛乳成分は全く入っていないのです。表示の一番最初に書いてあるのは・・・「植物性油脂」。そして、ポイントは「乳化剤」。水と油のような、本来混じり合わないものの境界面で働いて、均一な状態を作る作用を持つモノです。たしか、グリセリンとかレシチンとかいったものじゃなかったかと記憶しています。あと、小麦粉とか、よく分からない化合物とか、まあたくさん入っています。


「おいおい、けど、これってミルクって書いてあるやつじゃないの?」と思って、表の商品名等を見てみると、「うーん、やられた」と思いました。何処にも牛乳、ミルクなど、乳製品であることを指す文字はないのです。「クリーミー」といった表示になっていて、「ミルクやクリームっぽいけど違う」と思わせる表示ばかりが並んでいます。つまりはミルク、クリームという表示を使わずにそう思わせるギリギリのところを追及しているようです。


ここまでは上記の本にも書いてあるのですが、少し法律のほうから眺めてみたいと思います。


乳製品については、「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」で定義されています。まあ、常識的な感覚だと思います。


● 牛乳:直接飲用に供する目的又はこれを原料とした食品の製造若しくは加工の用に供する目的で販売(不特定又は多数の者に対する販売以外の授与を含む。)する牛の乳

● クリーム:生乳、牛乳又は特別牛乳から乳脂肪分以外の成分を除去したもの

しかも、成分規格についても定められていて、牛乳ならば「無脂乳固形分八・〇%以上、乳脂肪分 三・〇%以上」、クリームなら「乳脂肪分 一八・〇%以上」となっています。

どう考えても、上記のクリーミー商品がこの基準を満たしているようには思えません。ミルク、牛乳成分が入っているように見せて、寸止めのところで「いえ、そんなことは何処にも書いてません。あくまでもクリーミーな風味の商品であってクリームではありません。」と言えてしまえればいいんですかね。まあ、そんなことに疑問を呈していたら「●●風味」みたいなお菓子や清涼飲料水はすべてダメになるんでしょうけど。JAS法もよく見てみましたが、さっぱり分かりませんでした。こういう乳製品の定義と表示の話が係わり合いがないはずはないんですけどねぇ。


そんなことを思っていると、「クリーミー(クリーム風)」ではなく、某有名企業の商品欄で真正面から「ミルク」「クリーム」と謳っているコーヒークリームを見つけました(画像に取りそびれた)。勿論、成分に牛乳はなく「植物性油脂」からできているものでした。結構、いい加減にやっているんですかね。


そうやって調べていると面白いものを見つけました。


http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shokuhin/jisyukaisyuu/jyouhou.html


これのコーヒークリームのところです。東京都からお叱りを受けて自主回収しているのですが、その内容は「あなたのところで生産しているコーヒークリームは乳成分が含まれているのに、それがきちんと表示されていない。乳成分はアレルギーを引き起こすものだからきちんと表示しなさい。」ということです。乳成分を含まないのにクリームだと思わせようとあれこれ策を弄している製品が、実はチョビッとだけ乳成分を含んでいて、それについて東京都からお叱りを受けているということです。あまりの逆説ぶりに笑ってしまいました。


しかし、今回、食品表示についていろいろと勉強してみましたが、正直なところさっぱり分かりませんでした。これぞフクマデンという感じです。法律が多岐に亘っていること、内容が専門的であること、色々と抜け穴をふさぐための規定があることなどなど、とても素人で手の出る世界ではないと思いました。もう少し勉強してみたいと思います。