"Four Weddings and a Funeral" という映画を最近、再度見ました。もう12年前の映画になります。当時私は外務省の研修生としてフランスに住んでいたのですが、役所の入省同期で英国で研修していた人から「標準的なイギリス英語で話しているから英語の勉強に良いかも」ということでカセットを買って、よく見ていました。


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 監督はリチャード・カーティス。この後に「ノッティングヒル」、「ブリジット・ジョーンズ」といったヒュー・グラントを配役した一連のラブ・コメディーの監督です。そうやって思い直してみると、これらの映画には一定の法則性があるようにも思えます。私が同じく好きな「ミスター・ビーン」も彼が監督をしています。


ストーリーは、独身貴族暮らしにも厭きた青年チャールズの恋愛物語といった感じなのですが、とある結婚式でアメリカ女性キャリーと鉢合わせた彼が彼女にベタ惚れ、ただ、話は一直線ではなくて結婚式のたびに顔を会わせる二人の関係はこじれまくって、最後にあっと驚く大団円という感じです(細かくは書きません)。なかなか、コメディが上手く効いていて笑えます。あと、Wet Wet Wetの主題歌「Love is all around(http://www.youtube.com/watch?v=TgBM2PRNUvg&search=Love%20is%20all%20around )」も良い感じを出しています(サウンド・トラック全体がなかなか良いです)。この曲はすべての時代を通じて最も売れた曲というカテゴリーで12位に入るそうです(http://en.wikipedia.org/wiki/List_of_best-selling_singles_%28UK%29 )。


 主人公はヒュー・グラント 。まあ、最近では「ブリジット・ジョーンズ」とかで知っている人の方が多いでしょう。


 私はこの映画を見た時に「オレもこの映画のヒュー・グラントみたいになりたい」と思い立ちました。今、考えるとかなり無理があるのですが、当時23才だった緒方青年は、まずは髪型からかなと思って、ある程度髪を伸ばした後、フランスで美容院に行ってみました。しかしながら、私の当時のフランス語で上手く説明することはできず、どう見ても上記のヒュー・グラントには似ても似つかぬ姿に変身させられてしまいました。


 まあ、それはそれとして、次は「場」だと思ってユーロスターに乗ってロンドンへ。映画の中で、テムズ川沿いのエンバンクメントと呼ばれる場所でのシーンがあります。そこでチャールズ(ヒュー・グラント)とキャリー(アンディー・マクダウェル)が微妙なやり取りをするのですが(詳しくは映画を参照してみて下さい)、「やっぱりあのシーンだな」と思って、ロンドンに着くや否やエンバンクメントに足を運んでみました。そこで重要なミスに気づきました。「そういえば、オレって一人だから、映画のシーンを再現することはできんな・・・」。そう、エンバンクメントに行って、映画の中のヒュー・グラントになろうとしても、私と微妙な愛のやり取りをしてくれる相手方がいないので単なる観光客以下の存在だったのです。仕方ないのでとりあえずトボトボとエンバンクメントを歩いて、ロンドンのウェストエンドでミュージカルを見てフランスに帰りました。


 ということで、この時の「ヒュー・グラントになる計画」は大失敗に終わりました。その後数年経ち、今度は「ノッティングヒル」が流行っていた時、再度、「よし今度こそは」と思ってロンドンに行きました(当時は27歳くらい)。「ノッティングヒル」のスタートは、オレンジジュースを持ったヒュー・グラントがノッティングヒルを歩いている時に、前からジュリア・ロバーツがぶつかってきてジュースが服にこぼれるというものです。これなら一人からスタートできます。ノッティングヒルまで行って、近くのバーガーキングでオレンジジュースを購入。オレンジジュースを持ってノッティングヒルの通りを「ジュリア・ロバーツ(みたいな女性)が体当たりしてこい。いつでもこぼす用意はできているぞ。」と思って歩いていたのですが、結局2往復くらいしたところで、誰もぶつかってこないし、オレンジジュースの氷は溶けて味が薄くなり、しかも疲れたので止めてしまいました。


 結局、私の「ヒュー・グラントになる計画」は全く成功しませんでした。今、思い直してみれば「そもそも、ベースの容姿に問題があるので無理」ということなのですが。しかも、あの「ちょっと頼りなさげな感じ」がゴツい顔をした私には無理みたいです(その後、ヒュー・グラントはたしか売春関係で逮捕され、最近ではちょっと老けてきました。)。


 まあ、話は飛びましたが、"Four Weddings and a Funeral"は笑いあり、涙あり、感動ありの映画です。昨日見て再度感動を新たにしたので紹介しておきます。