去年コロナに感染して、その後遺症で味覚障害になった。多くのものが腐ったような味がして、食べられたのはうどんやトーストなど限られたものだけだった。今は幸い治っていろいろなものを食べることができている。そこで思った。今回は味覚だったけど、聴覚や視覚でも同じことが起きるのではないか、と。
今回は味覚がおかしくなって今までと全然違う味に感じるようになった。では聴覚がおかしくなったら?今まで聞こえていた音が聞き取れなくなるかもしれないし、聞こえなくなるかもしれない。あるいはまったく違うふうに聞こえるかもしれない。視覚についても、球体が球体に見えなくなったりするかも。とにかく、あるきっかけで今までと全く違うふうに世界を知覚するようになるかもしれないということだ。でも世界自体は変わっていないはず。球体は球体だし、エビフライはエビフライの味がしているはず。
中学二年生くらいになると多くの人が哲学的なことを考え出す。「自分の見ている世界とほかの人が見ている世界は同じなのかな」みたいな感じで。僕は今まで、この疑問についてあまり考えてこなかったが、今回味覚障害になったことで、ある種の答えのようなものが出そうな気がする。
同じ人でも時によって世界の感じ方が変わるのだから、違う人間ならなおさら違うだろう。
これが今の僕の答えだ。もちろん知覚というのは他人に共有することができないので本当の意味で確認することはできないので本当のところは分ったものじゃないし、論理的に導き出した答えでもないから断言はできないけれど、そんな気がする、と言うことで。