利用者のWさん。
ADLは正常で、会話もできる。
ただ、認知症があるため、
すぐに忘れてしまうし、
物をどこにやったかが
すぐにわからなくなってしまう。
私が一通りの掃除を終え、
記録をつけようとテーブルへ行くと、
ピンポーン、とチャイムが鳴り、
Wさんが出る。
私はそのまま記録をつけていたのだけど、
話の内容を聞いていると
食料品の営業で、契約させようとしている
ことに気づいた。
毎週お届けします的な食品で、
Wさんは言われるがままに
書類に個人情報を書いていた。
これはまずい、と思い
玄関まで私も行き、
Wさん、お子さんと相談してから決めた方がいいんじゃないですか?
と伝える。
すると、Wさんもすんなり
そうね、
勝手にやったら怒られちゃうわよね
と手を止めてくれた。
それでも営業の人は
お電話一本でいつでも休止、解約できます!
と食い下がってきた。
ひとまず説得をして、
お子さんに相談してから
連絡しましょう、ということで
話はまとまり、営業の人は帰っていった。
Wさんは一見認知症があるようには
見えないけど、
本当は割と認知機能は低下していて、
言われるがままにサインをしてしまう。
何かあった時には
必ずお子さんに連絡しましょう
と声かけをしたけれど、
きっとそれも難しい。
今回はたまたま私が訪問していたから
契約せずに済んだけど、
一人の時だったら
確実に契約をしていたと思う。
独居の高齢者は
何かの勧誘が来た時に
断ることができずに契約してしまう。
認知症がある方は
訳も分からずに契約してしまう。
営業の人が全員悪徳ではないけど、
高齢者は契約を取りやすいという
認識で来ているのは間違いないと思った。