30.1.10最終
⑦ジョングク
19.5.28
"ヒョン達の夢は何ですか?"
将来の希望調査書を書かなければならないから、と誤魔化す。
『僕は夢がないように思えるけど。ただ望む事ができたら、もっといい人になる事くらいかな』ソクジンが照れくさそうに言葉を濁した。
ピアノの椅子でユンギが興味なさそうに、『夢がなくたって大丈夫。夢なんて見ない。なんとなくで』
笑い、噴き出す。
『僕はスーパーヒーローに。悪役達から世界を救う』
椅子に立ち上がったテヒョンが空に向かって腕を伸ばすポーズ。ホソクは怪我をするから降りろと注意。
『僕は母親を探し幸せに暮らしたい。幸せになる事が夢なんだ。』ホソクはとても幸せそうに微笑んだ。
『それじゃあ今は幸せじゃないんですか?』とジミン。ホソクは、
『そういう事になるのかな?』
と、悩むようなおどけた表情。
『お前の夢は何?』
『僕ですか?』
ジミンは慌てたように目を見開き、
『幼稚園の時は大統領になりたかったけど、それ以降は何がやりたいのかが良く分からない』
あとはナムジュンだけが残った。
『良い言葉を言ってあげたいんだけど、僕もこれと言った夢がまだ無いんだ。ただアルバイトの時給がもう少し上がってくれたらな』
僕はうなずき希望調査書を見つめた。調査書の将来希望欄は、学生と保護者の欄。僕は何になりたいのか。空欄を埋める言葉が見つからなかった。
↓
皆が1番仲間同士で居心地良く過ごしている時期。なりたいものを語る言葉から、皆の素直な気持ちが分かる。
ジンはうしろめたさがある、ユンギは夢なんて考えたくない、テヒョンは正しいことは正しいと貫きたい(悪だと思う事を無くしたい)、ホソクは幸せを感じられない、ジミンは自己肯定感が低いので自分なんかと思う期間が長くて分からなくなっている、ナムは夢なんて考える余裕がない、と読んだ。
グクは自分には何も無い、先の事なんてわからない?保護者欄に憂鬱さだけ覚える印象。
22.4.11
屋上の手すりの上を歩いていた。工事が中断し捨てられた建物。空に足を伸ばすと、つま先から闇が広がっていくようだった。手すりの下には夜の街が広がる。ネオンサイン、車のクラクション、煙たいホコリが暗闇の中で渦巻いた。
目眩で体がグラつき、重心を取ろうと腕を広げる内に思った。ぴったり1歩、あと一歩だけ踏み出すことが出来たなら、全てが終わる。
闇に向かって少し体を傾けてみた。つま先から始まった闇はいつの間にか全身を飲み込むように広がってきた。目を閉じるとにぎやかな街も、騒音も、恐怖も消えた。息を止めた。ゆっくり体を傾けた。何も考えていなかった。誰も想像もしていなかった。何も残したいと思わなかった。何も覚えてもいなかった。ただ、このまま終わりだった。
電話のベルが鳴ったのはその瞬間だった。遠い夢から目覚めたように意識を戻す。ぼんやりとした感覚も、元の場所に戻る。ユンギからだった。
↓
わざと殴られたり危ない事をしたり、自暴自棄。世間は自分と遠い場所にあって、自分は誰とも繋がってなくて空っぽな印象の文章。
じわじわと死に足を踏み入れ、受け入れていくようでもあるが無感情な描写。
ギリギリでユンギからの連絡。これがコンテナに集まる前か後かは不明。グクはギリギリおし止まった。
22.7.26
振り返ると、病院はかなり離れていた。野花を置いてきたベンチ、一緒に川を眺めた窓も、もう見えなかった。
あの子は息苦しいい病院生活で息抜きになってくれた。夕暮れ時、病院のベンチに座って話しているといつの間にか陽が沈んでいた。アジトで遊んだ事、海に行った事、駅まで歩いた事も話した。その子は病院の事を隅々まで話してくれた。彼女は病院について知らない事は無かった。
病室は空室だった。退院したのか他の病院に移ったのか、何も分からなかった。心の片隅が寂しく感じた。
前を向き再び歩き出した。遠くに学校が見えた。そういえば、その子に話したほとんどがヒョン達の事で、僕の言葉のほとんどはヒョン達から始まっていた。いつも一人だった僕にヒョン達は友達であり、家族であり、先生になってくれた。僕の話は全てヒョン達が話の中心であり、僕はヒョン達との関係の中だけで存在していた。
いつからか考えが変わった。ヒョン達もある日いなくなるかもしれない。もっと酷い事が起こるかも。
事故の日を思い出す。丸い月、逆さまの景色、車の形、ランプ、何故か聞き慣れたエンジン音。余計な憶測はしたくなかったが、その瞬間が思い浮かんだ。
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事故当時の5/22は仲間達がもめてバラバラになった日。グクは憔悴しきっていたので、女の子と話した時間は息抜きになった。
グクは自分が何処にも存在しないかのように感じている節あり、家族も先生と思える人もいなかったような文章。
病院の女の子が消えた事をきっかけに思い出を振り返っていると、いないと思っていた友人も家族も先生も、グクの側には実はいて、自分が空っぽではないと気付いた様子。
最後の事故のくだり、グクをひいたのは知り合い?ジン?
※スプリングのMVより。
夜のメリーゴーランド?のライトを背に、周りは早送りでグクだけが立ち止まっている描写や、グク1人の列車の中にメンバーが現れ始める描写などがグクのnotesを表現しているかも。
グクの目配せなどは、ジンと事故についての秘密を共有する描写?