「図書準備室」田中慎弥


さて。芥川賞候補作。

ほのぼのと変わった小説でしたね。
帯の文章と人づてに聞いた話から、
主人公のイメージを勝手に(また、ですね)
作り上げてたので
主人公の中途半端ぷりに
うーーーーん・・・・といった感じ。

「30歳を過ぎ一度も働いたことが無い」
「あの目に捉えられてしまったから」

とさわりを
聞けば、期待度は上がると思うのですが、
違うの?
あの主人公の中途半端さゆえに
話は進んでいくことができるのだろうが
もうちょっと芯をしっかり作って欲しかったな。

ページ数にしての全体の95%くらいが
主人公の独白。
確かに、
最後までアレを読ませるには、
筆力がないと無理でしょう。
伸びたり縮んだりする時間を
書く事ができる作家さんだと思うけど。


風景描写はオリジナリティがあって
良かったと思う。
回りくどいけど、少なくとも立ち上っては
くるし、他細部まで思い描くことが
出来た。
意味のない、無駄では?と思うところも
いくつかあったけど。
必要性を感じないという意味で。


でもちょっと大変すぎる。
これを大勢の人に読ませようと思ったら、
よっぽどの筆力がないとだめだろうなあ・・。
装丁通り、ぼんやりとした膜の中にいるような話。

しかしあれは帯が秀逸だったんだなー。。
図書準備室/田中 慎弥

¥1,470
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「サウスバウンド」奥田 英朗

父は元過激派だ・・・
の帯で買ってしまった。
後、装丁が微妙に気になって・・。
(好きではないですが・・・)

東京中野と西表島での暮らしの二部構成。

ちょっと構成は気になりました・・。
しっくりこなかった。
後半の西表島から
読ませるようになった感じ。
お父さんの主義主張・求めるものが、
やっと理解できるようになり、
??が!!に変わるまでは、
ちょっと私はうだうだしてるなー
と思ってた。

劇的に話が動く後半、
ちょっとびっくりする展開でした。
でも確かに、こんなお父さんかっこいいかも。
でも私の父もびっくりするぐらい
主義主張については
かっこいいので(尊敬してるので)
張り合う気持ちで読んだ。

「正論を振り回して、
誰かに謝罪させたいだけ」の言葉は
ちょっと痛かった・・。


こういう人って少なくなってきているのかな?
今は語ることすら諦めてしまった人も多い。

サウスバウンド 上 (角川文庫 お 56-1)/奥田 英朗

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サウスバウンド 下 (角川文庫 お 56-2)/奥田 英朗

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サウス・バウンド/奥田 英朗

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「空白の叫び」貫井徳郎


14歳の3人の少年が、殺人を犯す。

物語はその3人、
学校の先生を殺してしまった久藤
幼馴染を殺してしまった葛城
母親を殺した神原
の目線から語られる。

この三人の心理描写、すごいです。
作者は良くここまで・・・と思う。
これだけで読む価値あると思う。

久藤の思考回路なんて良く分からなかったし、
冒頭から、こんな子供とは
絶対に分かり合えないな・・・と
思い若干の嫌悪感を持って読んでたけど、
その久藤の内面を丹念に追っていくうち、
すごくすごくかわいそうになってきたよ・・。
ただ「怖かった」っていうのが
すごく伝わった。

葛城は葛城で、空白がすごくあった。
把握して、律して自分では
生きているつもりなんだろう、、
けど、一瞬の自分にも把握不能な
空白が・・あるんだなと思った。

神原は・・文章を他の2人より幼く書いてる。
この本の中では一番、
内面の変わりようがすごかった。
後半は幼い文体で、結構怖いこと、
卑劣なことを言ってる・・・。
他の2人が、自分の犯した罪について、
その相手について、繰り返し考え
自分の行動について思い返してるのに比べ、
神原は自分は悪くない、一辺倒。

神原は、計画的に自分の母親を
殺してるんだよな・・・と思い、
はたと思った。
それはどういうことだ?


下巻は下巻で更生しようとも
そうはさせてもらえず、
苦しむ彼らが出てきますが、
3人以外の心理描写・行動は
若干希薄な感じ??
それは主人公以外だからまあいいのか??
後半~ラストもちょっと・・。


でも、圧倒的な筆力です・・・
面白かった!!!!!!!!!
ページをめくるのがもどかしかった!!

空白は、空白として
様々なものを表していた。
彼らは語るすべを、明確な言葉を持たない。
痛々しい空白。
空白の叫び 上/貫井 徳郎

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空白の叫び 下/貫井 徳郎

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