私は言った。

「寂しいけど、ほかに良い人探すわぁ」って。

そしたら彼はこう言った。

「君が他の男といるのはいやだな…」って。


私は嬉しかった。
彼は私を好きなんだって感じた。

せっかく、覚悟を決めて言った言葉だったのに。
一瞬で崩れ去った。

頑張って忘れようとしたのに。
ここから去ろうとしたのに。

やっぱり離れられない。

早く会いたいよ…
今日、気付いたら彼の会社まで歩いていた。
30分以上歩いた。
突然会社まで行って、驚かせたかった。
びっくりして喜んでくれるだろうと思って、私は歩いた。
会社の近くに着くと、彼の会社から誰かが出てきてこちらへ歩いてくる。
それは彼ではない。でもすぐに誰かわかった。彼の会社で一緒に働いている人だ。何度か会ったことがある人で、たぶん私達が仲良いことも知っている。
その人を見た瞬間、私はハッとした。



私のしてること、まるでストーカーだ…。



もし私が彼女なら、もし私が彼の愛する人なら、きっと喜んでくれるだろう。短い時間のためにわざわざ会いに来た健気な女の子になるのだろう。

でもそうじゃない。

私、ストーカーみたいなことしてる。
自分で自分が恐くなった。

だめ、ストーカーになったら、だめ。冷静に考えないと、だめだよ。
がんばれ、私。
昨日、急にすごく会いたくなって、気付いたら、彼の会社の前にいた。
ちょうど彼は帰るところだった。なんという絶妙なタイミングなのだろう。
私は嬉しかった。彼は何も変わっていない。優しい、かわいい顔した彼がそこにはいて、優しく手を握ってくれる。
ただそのことが嬉しくて、嬉しすぎて、涙が出た。
泣いたりしてごめんね。
大好き。
好きでごめんなさい。
好きでいさせてください。
ものわかりの悪いバカな子でごめんなさい。