介護職の主な仕事は、要介護者に対する介護サービスですが、介護予防も欠かせない重要な業務です。要介護状態になる前に、介護予防の措置を施せば、要介護者を減らせるでしょう。たとえ要介護者になることを防げなくても、要介護度の進行を遅らせることは可能。介護の職場では、要介護者以外の高齢者のケアも行います。特に、サ高住と呼ばれるサービス付き高齢者向け住宅や一般型ケアハウスには、自立生活が可能だが要介護の一歩手前のフレイル状態にある高齢者も入居しており、介護予防の余地が十分あると言えます。

介護予防には専門的知識が必要です。介護予防のスキルを身につけるため、介護予防運動指導員の資格を取る介護職員も少なくありません。介護予防運動指導員の有資格者は、高齢者個人の体力や身体状況に合わせてプログラムを組み、効率的な介護予防計画を立てます。介護予防の方法は様々で、ストレッチ体操や筋トレのような身体活動をはじめ、食事の指導や口腔ケアなど枚挙に暇がありません。ボールや縄跳びを使ったレクレーション的なメソッドもあります。高齢者は、介護予防運動指導員の指示に従い、無理なく楽しみながら介護予防できるのです。

また、入居者だけを対象にするのではなく、地域で在宅の高齢者に対して介護予防教室を開くこともあります。在宅高齢者は、外出の機会が少なく、歩行困難な状態になるロコモティブシンドロームに陥りやすいです。在宅でも簡単にできる介護予防方法を伝授すれば、介護施設への入居時期を遅らせることも可能になるでしょう。