介護職の主な仕事は、要介護者に対する介護サ ービスですが、介護予防も欠かせない重要な業務です。要介護状態になる前に、介護予防の措置を施せば、要介護者を減らせるでしょう。たとえ要介護者になることを防げなくても、要介護度の進行を遅らせることは可能。介護の職場では、要介護者以外の高齢者のケアも行います。特に、サ高住と呼ばれるサービス付き高齢者向け住宅や一般型ケアハウスには、自立生活が可能だが要介護の一歩手前のフレイル状態にある高齢者も入居しており、介護予防の余地が十分あると言えます。
介護予防には専門的知識が必要です。介護予防のスキルを身につけるため、介護予防運動指導員の資格を取る介護職員も少なくありません。介護予防運動指導員の有資格者は、高齢者個人の体力や身体状況に合わせてプログラムを組み、効率的な介護予防計画を立てます。介護予防の方法は様々で、ストレッチ体操や筋トレのような身体活動をはじめ、食事の指導や口腔ケアなど枚挙に暇がありません。ボールや縄跳びを使ったレクレーション的なメソッドもあります。高齢者は、介護予防運動指導員の指示に従い、無理なく楽しみながら介護予防できるのです。
また、入居者だけを対象にするのではなく、地域で在宅の高齢者に対して介護予防教室を開くこともあります。在宅高齢者は、外出の機会が少なく、歩行困難な状態になるロコモティブシンドロームに陥りやすいです。在宅でも簡単にできる介護予防方法を伝授すれば、介護施設への入居時期を遅らせることも可能になるでしょう。
ロコモとは、ロコモティブシンドロームの略で、日本語では運動器症候群と言います。日本整形外科学会の提唱により、2007年から使われ始めた言葉なので、まだ耳慣れないかもしれません。この症候群に陥ると、関節や骨、筋肉といった身体を動かすのに必要な運動器に障害が出て、歩行や起立まで困難になります。こうした生活に必要な動作ができなくなると、外に出たり、人と会うのが億劫になりますが、家に籠ってばかりだと症状は悪くなる一方です。
この「体が動かしにくい」状態が進行することで、将来的には寝たきり状態になる恐れさえあります。こうなると要介護認定を受けざるを得ません。高齢化が進む中、ロコモ対策は、介護問題に付随して重要な課題となっているのです。実はロコモ予備軍は高齢者以外の年齢層でも増えており、中には小学生でロコモ予備軍とされたケースもあります。尚、若年層では過度なスポーツによる軟骨や椎間板の損傷で発症する人もいるのですが、ロコモの要因としては、やはり加齢が大きいでしょう。
実際、筋肉や骨量がピークに達するのは20代から30代までで、40代以上になると5人に4人の割合でロコモ予備軍となるとのデータもあります。更に50代に入ると骨や筋力が急速に衰え、60代に入ると体の自由が利かなくなってしまう人も。また、年を取ると変形性脊椎症や骨粗鬆症、変形性関節症に罹患しやすくなりますが、これらの疾病もロコモの大きな原因となります。ロコモで要介護者にならないためにも、若い時期から対策を考える必要があるでしょう。《こちらのサイトもおすすめ⇒http://whatis-locomotivesyndrome.com》