疲れたとき、寂しいとき、


ふと立ち寄りたくなるバーがある。











お酒は全然強くないので、いつも一杯だけで
申し訳ないけど

その雰囲気に触れたくてついつい出向いてしまうことがある。




素敵なゲイママさんがやってる所。

見た目はとってもいい雰囲気の
イケてるおじさま。

長年連れ添っている彼氏がいるんだそう。
そのエピソードも素敵。





店内は落ち着いていて、センスの良いジャズのスタンダードが流れている。


ママさんとは音楽の趣味が共通していて

わたしが来ると、好みの曲を選んでかけてくれる。





そんな素敵なママさんのところに訪れるお客さんも、なんだか紳士、淑女の集まりのようで

どこか陰があるけれど、品があって

話すととても面白い方たちばかり。









そこで出会った1人の紳士のお話。









その日、仕事が遅くなり12時近くにバーを訪れたときのこと。




カウンターの端にひとり

眼鏡を掛け、ビシッとスーツを着た
如何にもデキるビジネスマン風の男性が掛けていた。
年齢はわたしより一回りぐらい離れていそうな。







わたしはカウンターの真ん中あたりに座って

ママさんと他愛もない話をしたり

携帯を触りながら、メールチェックしたり

音楽を聴きながら、束の間の休息を楽しむ。






その男性も、さらりと会話に混じってきて

話してみると、物腰柔らかで気さくな人だなぁと思いつつ

ママさんがわたしのことを紹介してくれる。








「女医さんなんですか‥お綺麗ですね。




柔らかく微笑みながら、社交辞令なんだろうけど

そんな風に褒められると嬉しい。

いやいや、そんなことないんですけどね、ははは





それから、自然と打ち解けてきて

彼と色んな話で盛り上がった。


仕事のこと‥日常のこと‥趣味のこと

今まで旅行して楽しかったところ‥などなど



時折ママさんも控え目に相槌を打ちながら

気付けば楽しくて時間を忘れるほどに。









そうして。自然と自分の恋愛の話になる

まさかパートナーが

ただの彼氏でなく主従関係込みですとは言えるはずもない。



‥と思ったが




「それは‥‥特殊な関係性でなくて‥?





と問われて、ドキリとした。

突然のことだったので

思い切り顔に出てしまったと思う。




相手の表情を伺うと、わたしの様子を特に気に留めでもなく穏やかに微笑んでいる。






もしかして‥?
この人もそうなのかな。



つづく?