新月を待って・・・恋愛小説紛い -28ページ目

新月を待って・・・恋愛小説紛い

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彼はホームへ向かう階段を、子どもたちと手を繋いで上った。


他人から見れば、孫に手を引かれたお爺ちゃまでしょうね。


「お兄ちゃん、勉強頑張るんだよ!!」


「はい!!」


「お兄ちゃんだから‥お母さんを守らなきゃね」


「はい!」


「よし、いい返事だ。また、遊びにおいで。お母さんを頼んだよ」


元気よく挨拶をしていた兄貴が急に嗚咽した。


その兄貴につられて娘も目頭を押さえています。


「耀ちゃんも、凜君も、お母さんの言うことをちゃんと聞くんだよ」


そう言って、彼は一人一人を抱き締めた。


もう、兄貴は大声で泣きじゃくっています。


「航一君、男は泣かないさ!また来るんだよ」


そう言う彼も目頭が潤んでいたようだった‥子どもたちは気づいていたでしょうか。


彼は、私の手を取り


「ゆき、ありがとう」





「…帰りたくない」