彼はホームへ向かう階段を、子どもたちと手を繋いで上った。
他人から見れば、孫に手を引かれたお爺ちゃまでしょうね。
「お兄ちゃん、勉強頑張るんだよ!!」
「はい!!」
「お兄ちゃんだから‥お母さんを守らなきゃね」
「はい!」
「よし、いい返事だ。また、遊びにおいで。お母さんを頼んだよ」
元気よく挨拶をしていた兄貴が急に嗚咽した。
その兄貴につられて娘も目頭を押さえています。
「耀ちゃんも、凜君も、お母さんの言うことをちゃんと聞くんだよ」
そう言って、彼は一人一人を抱き締めた。
もう、兄貴は大声で泣きじゃくっています。
「航一君、男は泣かないさ!また来るんだよ」
そう言う彼も目頭が潤んでいたようだった‥子どもたちは気づいていたでしょうか。
彼は、私の手を取り
「ゆき、ありがとう」
「…帰りたくない」