「逢いに行くまで、我慢してね。必ず行くからね」
「うん」
「ありがとう。孜さん」
ドアが開いた。
定刻通り、新幹線は出発した。
彼は、寂しげな顔で手を振っている。
子どもたちが居なかったら泣き叫んでいたかもしれない。
そんな心情で新幹線に乗った。
座席に着いても涙が止まらなかった。
この子たちがいなけりゃ そんなことまで考えてしまった私は、この瞬間 母に戻らなきゃならない。
バカな母親だ。
私は涙を拭い、末息子を膝の上で抱き締めた。
「お母さん、なんで兄貴は泣いてたん?」
おちびちゃんが不安そうに聞いてきた。
「さぁ、なんでだろう?
帰りたくなかったからじゃない?」
「僕も、もっと居たかったよ」
「そう、楽しかった?」
「うん!」
「じゃあ、また来ようね」
「うん!」