夕刻、三島へと到着した。
彼が待っていた。
ほんの半月前と同じ光景。
そこには、子どもたちの姿が無いということと‥
お互い愛慕の情に駆られていたことが違っていた。
そう、私たちの間に憚るもの等ないのである。
私は、彼に駆け寄り彼の胸に飛び込んだ。
彼は、私を強く抱き締め言った言葉が、
「このスーツにして正解だったよ」
と、照れくさそうに笑った。
この半月、彼に逢いたかった思いが感窮まっている私。
映画のワンシーンを演じているのに、彼の一言でぶち壊しだ!?
「どういう意味?」
「ゆきが抱き付いてくると思って!今朝、スーツを着る時に、考えたんだ!ファンデーションが目立たないようにって」