新月を待って・・・恋愛小説紛い -19ページ目

新月を待って・・・恋愛小説紛い

小説紛いの恋愛ものを綴ってみましょう♪
興味のある方は、アメンバー申請よろしくお願いします♪( ´▽`)


「バカね。本当にデリカシーがないんだから」


「そう言うなって。嬉しいよ、ゆき」


彼はベージュのスーツに身を包んでいた。



私を乗せて彼の車は、御殿場への真夏の薄暮に包まれていく。


「ゆき、少し早いが夕飯にしょうか?予約してるんだ」



車が停車したのは、丸材で組まれた丸木小屋風のレストラン。



御殿場でのゴルフの帰りに よく利用するらしく 入口を入ると店内を横目に彼は左に折れ 奥に続く細い丸太の廊下を歩き出した。

三歩下がって後に着いて歩く私の目に飛び込んできたのは‥


アットホームな懐かしさが漂うステーキハウスでした。


こじんまりとした店内には小さなアーム状になった鉄板。

その鉄板を挟むように並べられた椅子を彼が引いてくれた。



私の父は、家業をそっち除けでいろんな副業に手を出していた。


その中で小さなステーキハウスを開店した。開店して五年目で閉店してしまったお店だったけど‥


私は、そのお店の雰囲気が大好きで高校生の頃は、進んでアルバイトに精を出したものだ。


その店内と雰囲気が似ているのだ。


懐かしい匂いに囲まれた私は上機嫌だった。

そして、また 父のお店と同じように鉄板を挟んで私の前では、コックチーフがパフォーマンスを見せてくれた。


マジックのような手捌きは、私たちの会話を無にしていった。