新月を待って・・・恋愛小説紛い -16ページ目

新月を待って・・・恋愛小説紛い

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「ねぇ、孜さん、その手紙を読まれました?」



「ごめんよ。相沢さんに頼んで見せてもらったんだ」



「いえっ、でも‥気を悪くなさらないでくださいね」



「いいんだよ。俺を心配してるのが分かったよ。ありがとう」


その手紙には、お礼を述べた後に、彼に何かあったら連絡して欲しいと、私の住所と携帯番号を添えていたのだ。


彼が元気なら、いつまでも繋がっていられるが、彼に何か異変があると、音信不通になってしまうのが怖かったのだ。


「もし、僕に何かあれば相沢さんか専務が連絡してくれるようだ。安心するといいよ」



「はい!!」



「子どもたちは元気かい?」

「えぇ、今日は海遊館に行っている筈です。大阪駅で別れた時なんて‥バイパイって振り向きもせずに行っちゃったのよ!」

「そっかぁ~英君には、何か御礼しなきゃね」


「多分、彼も寂しいんだと思うの」



「そう、英君は、ずっと一人暮らしなの?」


「近所に母親がいるよ。時々、会っているようだけど‥昔から仲が良くないんだ。弟だけを可愛がっていたから」


「親は、出来が悪いほど可愛いと言うよ。親の愛は親バカって言うほど深いもんなんだけどね」


「親になれない40男には解らないのかもしれないよ」



英のことに関心を寄せている彼に、英は、男じゃなく女だなんて言えなかった。
従兄の中で、小さい頃から一緒に育ったとだけ伝えていた。