子どもの頃から歌うことも好きだったけれど、自分はピアノの道を行くんだと決めていたので歌にはそれほど熱心ではなかった。合唱団にもいくつか入ってみたけれど、そんなに熱中はしなかった。大学卒業後、合唱団にはピアノ伴奏者として所属していた。カラオケは好きではなかった。
そんな私が歌う喜びに目覚めたのはこの数年のことだ。2017年春、スウェーデンのアカペラ女性ボーカルグループ「クラヤ」の歌に惹かれて、その歌を歌う会、というのに参加するようになった。指導してくださったのはシュタイナー教育を学んでこられた足利智子先生。生きた音楽を教えてくださる素敵な先生だ。
楽譜を見ればだいたいの音はすぐ歌える私は、そこに集まった人たちの中で主旋律以外のハモリのパートを任されるようになった。そしてこれまで学んできた発声法が、コーラスの中で役に立つことを知った。
智子先生のご縁で、大阪阿倍野の「ことばの家」主催のクリスマス生誕劇の歌い手も務めさせていただいた。ここでもお役に立てた実感があった。
また、その頃習い始めた社交ダンスがきっかけで、2018年と2019年の2年連続でミュージカル「ア コモンビート」に出たのも大きかった。特に初舞台ではアカペラのソロデュオを2000人の観客の前で歌わせてもらった。忘れられない舞台になった。
そして、私の歌好きを決定づけたのは
2017年夏に1週間訪ねたスコットランド北部のエコ・ヴィレッジ、フィンドホーンでの体験だった。ここでは毎朝、自由参加の歌の時間「テーゼ」がある。愛と平和の歌が多く、歌う瞑想のような時間だが、こびとの家のような小さな建物の中で響く混声合唱のハーモニーはなんとも心地よく、生きる喜びを感じる時間だった。
その時のご縁で2020年3月、長年フィンドホーンで中心となって歌を広めてこられたバーバラさんの歌のリトリートに参加した。場所はハワイ・カウアイ島。自然の懐に抱かれた中で、初対面なのに気の合う仲間たちと、歌や音楽をして過ごす1週間はかけがえのない日々となった。
バーバラさんは、音楽は緊張したレッド・ゾーンでするものではなく、リラックスして楽しめるグリーン・ゾーンでするものだと言われ、私たちに心から楽しめる音楽の時間をくださった。
このような場でカウアイ島から世界に向けて、愛と平和の歌を仲間たちと歌っていた時、私の心の奥底から「これが私の生きる場所」という感覚が湧き上がってきて、この上ない喜びに包まれた。この、平和を祈るハーモニーの中の1パートを歌っている私が、本来の私。私の存在意義はここにある。
まるで、「天国のひな型」を体験したようだった。
声というのはひとり1人違うけれど、それぞれが調和して生まれるハーモニーこそは、天国のひな型のような至福の体験。
私はその喜びを知った。
ひとは皆肉体は別々だけれども、誰かと繋がりたいと思っている。コロナで人と会えない今はなおさらだ。去年から学んでいるワンソウルの伊藤直美先生曰く、繋がれるのは同じ周波数を持った人同士なのだとか。心をひとつにして歌を歌っている時、私たちは深いところで繋がっているのだ。たとえ考え方や感じ方が違っていても、ひとつの歌を歌っている時間、私たちは深いところ〜集合意識で繋がっている。それこそが「天国」というものの擬似体験なのだと思う。
コロナで巣篭もりの日々、最近のお楽しみは2人の娘たちと歌うこと。子どもの頃からピアノや合唱団で音楽と親しんできた娘たちとはいろんな歌がすぐハモれる。親娘なので声の質も似ている。子育て時代にはいろいろあって、こんな幸せな日々が来るなんて予想もしていなかった。今まさに家庭が「天国のひな型」になっている❣️
コロナの日々の大きな気づきでした。