【前回のお話は下記リンクからどうぞ】
【前回のあらすじ】
夫がテーブル事件を起こした後、1週間に1度の頻度で夫は家に帰ってこない日があった。
家に帰りたくないからなのか、本当に家に帰れない理由があるのか。
帰れない日は、帰れない理由も添えて連絡を入れてくれていたが、私はその理由を信じていなく、ただの帰りたくない口実だと思っていた。
夫が帰れないと言った日、
これ以上ひとりで抱え込むのが辛くなり、数年来の友人にこれまでのことを打ち明けようと、LINEメッセージを送った。
友人からはすぐに返信があり、私の子供たちが寝静まった頃に友人から電話を掛けてくれた。
全てを話したあと、友人は夫のことを「モラハラ」だと言った。
モラハラ………。
……そっか、そうなんだ。
今まで自分で気がつくことができなかったことを、上手く言い当てられた気分だった。
言い表せないくらいほど、大きな納得感があった。
私は“モラハラ”というものの意味・定義をそれとなく知っていたが、自分が結婚したパートナーをモラハラだと思うことはなかった。
もしかしたら、
夫を“モラハラ”だと認識するのが嫌で、無意識のうちに“モラハラ”だと思わないようにしていたのか、
“モラハラ”だという概念がそもそもなかったのか、
考えた中で1番可能性として高いのは、
“モラハラ”だと考えられないくらい、夫との生活、環境、お互いの立ち位置が当たり前になっていたのかもしれない。
友人と電話で2時間ほど話した後、
私はネットで『モラハラ』について検索をした。
私が「これかな」と思うような、私の状態や状況に当てはまる提唱を見つけました。
マリー=フランス・イルゴイエンヌによる定義
被害者は、起こった出来事に対して「自分が悪いのでは」と罪悪感を持ちやすい、誰かに与えることを欲しているという性格が利用される。
加害者は道徳家のように振舞うことが多い。
モラル・ハラスメントの加害者は自身の「魅力」を用いる(婉曲的な表現や倒置法を好んで使うなど)。次に、ひとつひとつを取ってみればとりたてて問題にするほどのことではないと思えるようなささいな事柄・やり方により、被害者の考えや行動を支配・制御しようとする。この段階では、加害者は被害者に罪悪感を与え、周囲には被害者が悪いと思わせようとする。
Wikipedia参照。
抜粋して載せています。
確かに、私は夫との関わりにおいては「自分が悪いかな」と自虐的に考えることが当たり前だった。
例え、実母や友人に話した時、
「それは○○(夫)さんの言い分がおかしいよ。」と言われるようなことでも、
心の中には常に「私が悪かったから、私が我慢すればいい。」と思っていた。
話を聞いてくれた数年来の友人、もはや親友と言っていいほどの存在の女性と一緒に2人で出掛けたことが数回あったが、
友人と会っている時間に、毎回夫から数十回の着信が必ずあった。
友人と一緒にランチを食べている時だったため、
テーブルの上でマナーモードとは言え鳴り止まない私のスマホ。
「すごい着信だけど、大丈夫?」と、気にかける友人に、すごく申し訳ない気持ちでいっぱいだったのをよく覚えている。
電話に出た後も、帰宅後も夫に「やめてほしい」と伝えても、会った時には必ず電話を掛けてきた。
他者との関わり合いに過干渉するのも、モラハラの特徴らしい。
夫がとったひとつひとつの行動を辿っていくと、まさに“モラハラ”の定義に当てはまるものしかなかった。
私は夫を“モラハラ”と認識した後、より心は穏やかではなかった。