【前回のお話は下記リンクからどうぞ】
【前回のあらすじ】
夫がぐっすり眠っている朝、
子供達が散らかした物の中に夫の浮気の証拠ととれる物として、
女性からの直筆の手紙と家の合鍵らしきものが見つかった。
子供たちを寝かしつけた後、ひとりで考えている時、
夫が複数の女性と連絡を取り合っている時期に、夫と同じ店舗に新入社員が配属された話を聞いたことを思い出した。
夫の管轄下にある店舗スタッフの一覧は、容易にネットで検索することができ、
検索した結果、手紙を書いた女性の名前と一致した。
手紙を書いた女性の名前は、配属された新入社員の名前と一致した。
もしも夫と同じ会社の人だとすると、
夫は社内不倫をしていることになる。
手紙の内容からするに、夫は女性と肉体関係を持っている可能性が高く、不倫をしていると考えた。
だとすると、毎日の帰宅時間が遅くなった理由が何となく分かった。
私を、というよりも
子供たちを裏切ったことに対して
ひどく悲しんだのをよく覚えている。
それと同時に
「私の幸せのためにどうすべきか」ではなく
「子供たちのためにどうすべきか」を考えた結果、
夫との再構築を考えた。
再構築を考えながらも、
夫がしてしまったことを知るべきだと思ったのと、
全てを知った上で再構築か離婚するか、もう一度考えるべきだと思い
不倫のさらなる証拠を引き出そうと考えていた。
夫は、いつも通り夜遅くに帰宅した。
よほど疲れていたのか、リビングのソファで横になりながらスマホを見ていたかと思えば、いつの間にか寝落ちしていた。
目の前でスマホを見るわけにもいかないな…
今日、夫のスマホを見ることは断念し、しばらく寝かせたあと夫に声を掛けた。
「お風呂、入らないの?起きてよ」
しばらく体をゆすっていたら、夫がゆっくりと瞼を開け、そのままヨロヨロとお風呂へと向かった。
動画サイトを流したままの夫のスマホは
画面オンのまま、ソファの間に転がっていた。
今がチャンスだ。
そう思い、夫のスマホを手に取る。
LINEを開こうとしたが、案の定パスコードロックがかかっていて開けない。
今度はInstagramを開いた。
以前私が趣味を投稿するアカウントを稼働させていた頃、夫からフォローしてきた事があったので
Instagramをインストールしていたのは既に知っていた。
数少ないフォロワーの中で、手紙を書いた女性と名前が一致するようなアカウントがあった。
メモはできなかったが、夫のアカウントIDを知っていたので、そこ経由で後で見てみようと思った。
その他はキャバ嬢?裏垢女子?のようなアカウントを複数フォローしていて、
夫に対して「気持ち悪」と思いながらアプリを閉じた。
次に写真アプリを開いた。
が、私に衝撃が走った。
写真・動画の総数は100枚未満。
子供達とお出掛けした時の写真や、
私と2人での写真も全て消えていた。
少ない動画・画像の中で最近の画像は、
見覚えのあるイルカのキーホルダーがついた鍵が2本隣同士に置いてある、Instagramのストーリーズのスクショだった。
アカウントは先程メモした、あの女の子のものだった。
他にも画像はいくつかあったが、
仕事で使うであろうものだったり
他にもスクショなどがあるだけだった。
私と子供達の痕跡は、何一つなかった。