淋しい狩人 | 足跡を振り返ってみよう

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淋しい狩人


 タイトルとあらすじに惹かれて読み始めました。主人公が古本屋の店主というのにも惹かれましたね。短編集なのでちょうどキリの良い所でまた明日……って言うふうにしようかと思ってたんですが、一気に読んでしまいました。
 短編のそれぞれのタイトルも、上手いなぁと呟きながら読み進めたんですが、一番好きだったのは「黙って逝った」ですね。同じ本を本棚一杯に買い求め、謎のお金を残して突然死んでしまった父親の謎を悶々と想像する息子が面白かったです。
 それとは別に一番どきっとしたのが、「歪んだ鏡」です。自分には何の取り柄もなく、選ばれる事もなく、ただ平穏な毎日こそが自分に相応しいと諦めきってしまっている女性に、何だか自分自身を重ねてしまいました。
 特別な事を目指して行動するだけ人が素晴らしいとは思いませんが、そうやって諦めきってしまうのも……どうかなと。ちょっと、警告というか本当に今の自分で大丈夫なのかと、考えさせられる作品でした。

 それにしても、宮部さんはやっぱり文章が上手いですねv 誰にでも分かる言葉を最大限に駆使して感情移入できる文章は、なかなか書けないですよ。
 自分も趣味で書いてるので、余計にそう思えるんでしょうけどこういう文章が書けるようになりたいなと思いました。