最初に

本記事はネタバレと投稿主の主観が多く含まれた内容となっております。

ネタバレ回避やご不快になられる方は閲覧非推奨とさせて頂きます。

 

 

 あらすじ

 高校デビューに失敗し、灰色の高校時代を経て大学4年となった青年・灰原夏希。社会人目前だった彼はある日突然、7年前――高校入学直前まで時を遡っていた!!

 

後悔しかなかった高校生活の「やり直し」の機会を得た夏希は、過去の経験を活かして見事クラスカースト最上位な美男美女6人グループの一員となることに成功!

 

しかもそこにはかつて片思いしていた美少女・陽花里の姿もあって……!?

 

無自覚ハイスペック青年が2度目の青春をリアルにやり直す、強くてニューゲーム学園ラブコメ!

 

 

  レビュー

ストーリー :★★★★

キャラクター:★★★★

イラスト  :★★★★★

その他   :★★★

総合 80点/100点

 

 

 

内容(ネタバレ注意!)

陰キャ系オタクだった中学時代から脱却すべく高校デビューを狙った灰原夏希

バスケ部に所属し順風満帆に過ごそうとしたが調子に乗りすぎて失敗。

友人であった凪浦竜也にも見捨てられ灰色の高校生活を送ることになった。

 

大学ではその教訓を活かし少数の友人と浅い付き合いをしながらも当たり障りない

生活を送り、将来安泰な企業にも内定する。だが、夏希の心の中では常に高校時代の後悔があった。-もし叶うなら、もう一度あの青春をやり直す機会が欲しい-

そう願った夏希は7年前の中学卒業後にタイムリープしており…。

 

今度こそ虹色の青春を送るべく入学前の期間を利用し、まずは太った体から改造を

行う。必死とも言えるマラソンや筋トレ、ジム通いをこなし元々の整った顔立ちや

高身長もあり見た目を変えることに成功。満を持して高校再デビューに臨む。

 

登校途中の桜並木の下、夏希はかつての初恋相手であった、後に高校のアイドル的存在になる星宮陽花里と出会う。夏希は過去において彼女の容姿と優しさから好意を

抱いており、告白して振られていた。そんな彼女への想いを再確認した夏希はクラス発表の場で竜也と白鳥怜太佐倉詩や、教室にて陽花里の親友である七瀬唯乃と知り合い、自然と6人グループになっていった。しかし、夏希には未だ過去に竜也との間に生まれていた亀裂が怖れとして刻まれていた。

 

彼らと親交を深めていく夏希だが、スポーチャでは肉体改造時に培った運動神経と

大学時代も腐らず続けていたバスケの能力で竜也を圧倒。バイト先では大学時代に

得た料理スキルを駆使し皆を唸らせ、学業においては学年一位を取るなど大活躍。

元陰キャだと悟られないよう振る舞い、一見では順調な高校生活を送れているように見えていた。

 

入学前に再会した幼稚園時代からの幼馴染であり同じ高校へ通っている本宮美織

夏希は夏希側は彼女を作り大切な友人達と過ごす虹色の青春を送ること、美織は

怜太と付き合えるようにすることを条件に協力関係にあった。そんな美織から

現状の危うさを指摘される。

 

事は試験後の打ち上げで行ったカラオケで起きる。カラオケにおいても大学時代に

ヒトカラで鍛えた歌唱力で羨望を集めていた夏希だったが、突然竜也が不機嫌に

出ていく。竜也を追う夏希だったが竜也に拒絶され、距離を取られる。

戸惑う夏希に怜太は原因が竜也の詩を巡る夏希に対する嫉妬と劣等感だと告げる。

 

詩は夏希の能力の高さや学業において面倒を見てもらえた優しさなどから夏希に

想いを寄せており、夏希もそれに気づいてはいたが竜也の詩に対する想いには

気づくことが出来ていなかった。

 

失意の中での帰宅途中、美織と出会い経緯を話す。美織の以前語った指摘とは夏希が

順調な生活を送るために気を張り詰めすぎていたことであり、竜也の件は竜也が

悪いと言い切る。その上で美織は(友人として)中学以前の夏希も今の夏希も好き

だから本当の自分を晒してもいいのではないかと諭す。また、かつて中学時代、

夏希は美織の陽キャ気質を理由に劣等感を覚え拒絶しており、改めて謝罪した。

 

その後、夏希は竜也を屋上へ呼び出す。詩への気持ちと自分の矮小さを表に出す

竜也に対し夏希は怒りを覚え、中学時代の自分の陰キャオタクだった頃の写真を

見せ、自らの正体を暴露する。現在とのギャップに驚いていた竜也に吹っ切れた

夏希は自らの憧れのような存在であった竜也に喝を入れ、グループに戻るように

説得を行い成功するも、一部始終を他のメンバーに見られていた。詩は無自覚に

竜也を振ってしまうが、竜也は諦めないことを誓い、夏希は自然体で皆と過ごせる

ようになった。

 

解決後、バイト先で美織に顛末を話していた夏希だったが美織の提案もあり、

夏希と陽花里、美織と怜太とのダブルデートを計画することになる。

 

 

 

 感想

タイムリープラブコメのジャンルとしては初めて読んだ作品でしたが、とても楽しめました。ただ気になった点がいくつか。

 

・タイムリープした理由が前述のものでは弱すぎるのではないか?

・陽花里を好きになった理由が薄く感じ共感しづらい

・夏希の「強くて」要素が後出し設定ばかりになっている

・ぼっちを強調している割に複数のバイトや少数の友人との交流など矛盾がある

 

キャラクター、特に女子は魅力的に描かれています。陽花里と美織がお気に入り。

夏希も陰キャが頑張ってるという姿に好感を持てます。終盤の竜也にキレた夏希は

カッコよかったですね!

 

ストーリーも筋道がしっかりしており読みやすかったです。青春だなぁ。

吟氏のイラストも秀麗で、これまた陽花里と美織がかわいい!推せる!

 

タイムリープ要素の考察としては、怜太か美織が絡んでいるのかと妄想しています。

怜太の洞察力はずば抜けており、落ち着きぶりも一介の高校生としてはどうかと。

実は怜太は本気で美織に惚れていて、最初の世界線では何らかの要因で夏希と

美織が付き合う流れとなってしまう。何度かタイムリープを行い美織を振り向かせようとしても夏希に行き着いてしまう。それなら夏希をタイムリープさせてみれば

美織とは付き合わない別の世界線へ行けるのではないか?といった感じで。

 

この作品の作者様である雨宮和希氏は別作品でファンタジー世界から魔女が自分と

自分を殺す英雄を現代世界に転生させたラブコメを書いているので、そのくらいの

設定は練っていてもおかしくないかなーと思っております。

 

いずれにせよ今後も期待出来る作品であり、完結まで追っていこうと思います。