著者:高畑京一郎
前レビュー「クリス・クロス」に続いて、高畑氏の作品である。
ごく普通の女子高生・鹿島翔香は、ある日自分が昨日の記憶を喪失していることに気づく。
そして、自分の日記を調べると、昨日の自分が書いたと思しき、見覚えのない文章があった。
「あなたは、今、混乱している…若松くんに相談しなさい。最初は冷たい人だと思うかもしれないけど、彼は頼りになる人だから。」
学校でも秀才の噂高い若松和彦は、翔香が一種の時間移動現象「タイム・リープ」に陥ったことを突き止め、時間のパズルと格闘していく。
というのがあらすじ(Wikipediaより引用)。
この作品のベース・モチーフはWikipediaに詳しいので、そちらを参照されたし。
さて、本作は、非常によく練り込まれたストーリーと、意識内時間移動現象「タイム・リープ」をテーマにした厳密な論理構成には正直舌を巻いた。
複雑に、まるでぐちゃぐちゃの毛玉のようになっていた時間を、一本一本解きほぐしてく。
もやもやが少しずつ剥離していくように、全貌がゆっくりと見えてくる。
高畑氏の本領発揮と言ってもいいだろう。
「クリス・クロス」の時よりも洗練された表現力と文章力、
圧倒的な論理構成力。
これが本作の最大の魅力である。
少々頭が痛くなる内容かもしれないが、読後の爽快感はそれなりにある。
すごくいい、というわけではないけれど。
高畑氏の作品はどうも後味が良くない。
本作に関しては悪いわけでもないが、よくもない。
お笑い風に表現すると「オチが弱い」となるだろうか。
読んだ後「ふぅ、おもしろかった!」と言える作品が好きな筆者には、少々物足りない。
しかしこの手の作品は爽快感がないものが多いので、さほど気にする必要もないか。
今回はこんなところで。
次回レビューはすぐに書く。
有川浩の「ラブコメ今昔」である。
では、また次回。

