♪ 日赤の名によるゴム製のあれ | 京都盲唖院・盲学校・視覚障害・点字の歴史

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視覚障害教育の歴史を研究しています。京都盲唖院、古河太四郎、遠山憲美、鳥居嘉三郎、石川倉次、好本督、鳥居篤治郎、小野兼次郎、斎藤百合、エロシェンコ、楽善会、雨宮中平、点字

 古河太四郎の籌(ちゅう)算盤でもない、
 マルチン式(ガラン製)計算器でもない、
 ゴム製のあれは、広島県立盲学校の山崎文人さんが発明した「盲人用計算器」だった!
 ヘレン・ケラーにちなんで作られた青鳥会。その「特殊教育研究報告書」(青鳥会そう書第四号)に1952年の成果として図入りで掲載されていた。その図を説明すると次のようになろう。

 籌算盤やマルチン式計算器と同じく縦書き筆算が表現できるツール。横20マス・縦15マスの盤に、サイコロ型のコマを嵌めて用いる。数字用のコマ(7ミリ四方)は、点字の1・2・4・5点のみで表現するマルチン式と全く同じだ。その他に3種のコマが用意されているのがマルチンと異なる。
 符号用は、コマの6つの面に、+−×÷=・を凸線で表してある。小かっこ・中かっこ・大かっこ用も、墨字のそれを凸状に表したもの。代数用として、円の中に点字「あ・い・る・ふ・む・ま」を示したタイプがある。

 山崎さんは、製品化の困難さを「今の所全部ゴムであるが、こまだけは合成樹脂とか、硬質ビニール等が最適と思われるが、此の型代に容易ならぬ資金を要し・・・」と吐露している。後に、日赤がこれを採用して製造・配布したのだろうか。

 カチンカチンに経年劣化した「これ」を某所で見たことがあり、長年、何?誰?と、疑問に思っていた。今日、青鳥会のおかげでおおむね氷解した。