130 史料「盲人A氏が録音機を考察」昭和18年・毎日徳島版 | 京都盲唖院・盲学校・視覚障害・点字の歴史

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       盲人A氏が録音機を考察
                 昭和18年10月8日・毎日徳島版

盲人ではあるが鋭いカンとたゆまない努力、これに令息のよき協力を得て玄人はだしの録音機を考案廿五日から二週間行はれる失明傷痍軍人教育講習会の勇士を十二月三日菊の佳節に招待し自作の録音機にのど自慢の勇士の浪曲や唄を吹き込み、そのレコードを進呈しようといふ胸のすく佳話がある徳島市福島本町二に盲人講習所を開いてゐるA氏(四七)で不幸廿歳ごろから失明、東京盲学校師範部を卒業後県立徳島盲聾唖学校に六年間教鞭をとつたこともあるが講習所では鍼灸にマツサージに不自由な人々を指導し、その数百五十人を超えいま十五名の講習生がゐる、目の不自由は心眼と精神力で克服し防空演習などもてきぱきとやつてのける頼もしさだ家族は徳島高工電気科在学中の長男Y君(二〇)と長女Sさん(一〇)の三人暮し

 私の道楽が少しでもお役に立てばと思ひ資材の手に入らないときに倅と一緒にいろいろ苦心研究して組立てました、こんなことで失明勇士の方をお慰め出来たらこれ以上の幸はありません

とはりきり毎夜ラジオ放送を録音してはテストし晴れの日を待ちあぐんでゐる(写真は自作録音機に吹込み中のA氏・略)