ドストエフスキーのカラマーゾフの兄弟の解説を佐藤優さんが出版した。

ドストエフスキーは政府批判をしていたが、

逮捕され、死刑がきまり、その後、皇帝の恩赦により釈放されたときに、

むしろ国家の恐ろしさを知った。

 

彼は本当はキリスト教を信じきれない、それでも著作の中でもわざとらしい程に、

キリスト教を前面に押し出した。

 

それは、権力への恐れが、彼にしみついてしまったからだ。

表面上だけは反抗してはならない、それが彼のスタイルになった。

 

個人の自意識は国家を前にすると無力だろうか。

 

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つまり、罰さずとも目的を達することは権力者には可能ということであり、

それに対して反抗する姿勢を彼は残したかった。