「正欲」に比べて、いっけんほのぼのとした出だしに思えた小説だったが、
結局この人の小説は、胸がざわざわして、読んだら、読む前の自分に戻れない系なんですね。
リアルでは困るが、小説なら面白いか。
まだ読んでいる途中だけれども、
確かに、
・小学生の頃、クラスで活躍したこども
・中学生の頃、
・高校生の頃、
・大学生の頃、
全部微妙に違っていた。
同じ子が、受験勉強を経て、運動神経がそこまで目立たなくなってしまった、そのような例もみたし、
あれって、既に人生の縮図であり、
子供には無理な気もするが、そこから学ぶという事もあり得なくもないのかなと。
人間は、特に子供は、未熟であり、外からの評価には弱いのだ。
わが業界も、山田パートナーとか辻本郷とか、BIG4とか、ずっと残っている事務所もあれば、
新進気鋭の若手事務所もある。
というか、お前自身のところは、どうしていくんだ、そして最後にはどう始末をつけるのだ、という話。
瞬間風速でみるのか、棺閉まって価値定まる、のか。
人生は3年・5年の単位ですら、がらりと変わっていくのだ、
作中の必死で生きていてゆとりを無くしたNPO大学生の姿とか韓国留学生の兵役のくだり。
そうあるのは正しくない気がしますが、いろいろ考えさせられますね。