お久しぶりです。Ringraseです。
今年2018年の第一発目は、藤沢数希さんのデータに基づく「反原発」に関する著書です。
シンプルにまとめてみます。
○要約
・原発は、大気汚染もなく、CO2排出も少なく、理想的な発電形態。
・火力発電での死亡率は、大気汚染を通じて1TWh当たり平均21人であるのに対し、原発では0.03人と極めて低く安全。
・再生可能エネルギーと言われている風力、太陽光発電は、原発よりもコストは格段にかかり、環境負荷(解体時のカドミ等)も相当ある。面積も格段に必要とするし、技術革新の可能性の少ない枯れた技術である。
・原発を止めるとその維持費に4兆円かかり、その代わりの化石燃料発電で別途4兆円かかる。
・放射能は白血病治療等で医学でも利用されているし、強度の放射線を一気に浴びなければそれほど危険性は高くない。弱度の放射線を浴びた場合の健康影響のデータが取れていないからリスクは推測値でしかない。20ミリシーベルト/年を避難基準としているが、100ミリシーベルト以下での健康被害の証拠が見つかっていないという)
・地球温暖化は間違いなく進んでいる。100年間の温度上昇の度合いがここ1000年のどの期間よりも早い。数々のデータによるとCO2が間違いなく原因である。
・今後は、第三世代軽水炉(全電源喪失しても冷却可)、高速増殖炉や核融合炉に期待。
○感想
・これを読むと原発に関する世の中の偏見がいかに凄いか、いかに世の中に電力事情に非効率が生じているかが良く分かる。
・福島の事故で一気に原発が悪者になってしまったが、真っ当に扱えば、安全・高効率であり、技術革新の伸びしろもこちらの方が遥かに残されており、もっと国を挙げて見直し、世の中の偏見を払しょくして欲しいと思った。
・地球温暖化は間違いなく進行しているようであり、これに対抗するには何とかしてCO2削減に取り組まなければならないが、日本はまさしく逆行してしまっている。火力で発電しロスを重ねて末端まで来た電力で電気自動車を充電しても何のエコでもなく、ガソリンで直接動かした方が余程良いだろう。
・原発は事故があった後に、その場所で生活できなくなることが最大の問題だと思うので、低線量の放射線の基準の無害性をいかに世の中に納得してもらえるかが今後のカギかと思う。
そこの議論・啓蒙を進めていかないと日本の経済発展はおろか人類の進歩も、停滞してしまうのではないか?福島の事故からもうすぐ7年を迎え、少しずつ原発も稼働再開し始めているのがわずかな明るい兆しであろうか…。
以上