或る朝、天使が舞い降りた
それは突然に何の前触れもなくやってきた
早朝4時の目醒め
ぼんやりとした頭の中で想い出される優しい記憶
或る春の日にやさしく出迎えてくれた彼の微笑み
そのままもう一度眠ろうとしたが
その存在が離れなくなった
眠ることを諦めた私は熱い紅茶を淹れようと湯を沸かす
どうにも離れられない記憶に向き合おうと腹をくくる
ふと、あの人に借りた詩集を開く
数ページを読み終えて紅茶に手を伸ばしたその時だ
窓の外から差し込む強烈な光に
吸い込まれるような感覚でベランダに出た
陽が昇り始めていた
空に広がる雲を照らし出し
薄いブルーグレーに
赤やピンクやオレンジが
マーブル状に混ざり合う
彼の魂は解放されて自由になったのだ
そう感じた
地上から天に昇っていくそれは彼だった
何かを伝えたかったのか
或いは何も伝えたわけではなかったのか
しかし天使は
確かに私のところに舞い降りたのだ
