妻の死で、はっきり実感したことがある。
それは、
人にとって、生きるも死ぬも、ほぼ同じということ。
死は終わりではない、
勿論、始まりでもない。
生きていることも、また、
死と比べ、素晴らしいことでもない。
どちらも、大したことではない。
「死んだら終わり」というほどの
大きな違いはない。
死んでもいいし、
生きてもいい。
どちらも、変わりない。
人はどんなに努めても成長できない。
まして、芸の完成や、真理への到達は夢の夢。
生きていることは、ほとんどマボロシ。
意識がつくる実感に騙されているだけ。
しかし、人生をまじめに受け止め。
ひたすら誠実に生きることは、
確実に利得がある。
生きていれば、それがよく分かる。
人の密かな願いは、この世で
だいたいが叶うもの。