人にとって死はない。
そして生と死はどちらも不明。
生と死の境はない。
そういうことが分かれば、
新しい知見が生まれる。
 
つまり、生きている人より、
ある意味、死んだ人の方が良いかもしれない。
 
若くして死ぬ。あるいは、前途を惜しまれて死ぬ。
どちらも、残された人にとっては、
くやしく、心残りで、惜しまれることだろうが。
実のところ、死者の方が恵まれているとも云える。
 
妻(天使のひとり)が死去し、
私は実感していることがある。
 
妻は私より早く死んで、良かったな、という実感。
 
生きていることは、時にいいこともあるが、
残された私にとって現実、負担が重いことが多い。
早く楽になった方がいいのかもしれない。
 
この世やこの世界、この宇宙と云ってもいい。
確かでどっしり、岩盤よりもしっかりと堅い。
そう思っていたけど。
どうも、真実は、そうでもないらしい。
 
マボロシや夢に近い出来事。
その方がもっともらしいようだ。
 
なのに、多くの人はあくせくする。
 
晩年になれば、
そんな妄想からも解放されていく。