質問「足るを知る」と「自分より上を目指すハングリー精神」は両立出来ないものでしょうか?
私の回答は下記。
両立できたら、たいしたものです。
足るを知るは、現状で満足することです。
一歩上を望みません。
しかし、現状で満足というのが難しい。
自分の欠点や足りないところは当然自覚しているでしょう。
自分の問題点がどこにあるか、分かっているはずです。
その部分については反省や改善が必須です。
その上で、現状に満足です。
人生は多様です。世界も広く深い。
どんな人も、狭い自分の殻から抜け出すことはできない。
私や自分や自我という牢獄です。
誰も皆、そこで満足するのです。
できることもあるが、できないことの方が圧倒的。
それを知った上で満足するのです。
たぶん、死ぬまで、しなくてはいけないことがいっぱいです。
手を抜けないこともいっぱいです。
どこまでできるか分からないが、頑張るしかないのです。
そういう満足の仕方です。
一方、ハングリー精神は、若いころだけのことです。
人生経験を重ねると、自分の狭さや有限さを痛感します。
無能さと言ってもいいでしょう。
ハングリーになったとしても、大したことはできないと悟ります。
それが、足るを知るということでしょう。
ハングリーは若い頃のはなし、そして足るを知るのは、老人に近ずく頃のはなしです。
両立はありえません。
私の回答を読んで、
ああ、なるほどと思った。
76歳の私は、この世に幻想を抱いていない。
なぜなら、すでに幻想のただ中に生きているから、幻想を抱きようがない。
生きることは幻想の中でもがくこと。
さて、努力や精進という言葉があるが、まさしく幻想そのもの。
何をあくせくと、老人は思う。
もし私がパレスティナの青年なら、
当然、人殺しをするだろう。