質問「人間の各個人に優劣や価値の差は存在しますか?

そもそも、その人を形作るものはどの要素から成り立っていますか?」

 

社会を作って生きる人は、社会から切り離し自立するのは不可能です。

社会の中での人は、ある一定の役割りを分担しています。

 

例えば、蟻社会で考えると、女王蟻と兵隊蟻、働き蟻のような分担です。

女王蟻と働き蟻を比べて優劣がないように、人社会でも各個人に優劣はありません。

 

ただし、蟻社会と人社会が違うのは、人社会があまりに複雑なため、便宜的に階層化や序列化で秩序を形成し安定した社会制度を保持しています。

 

階層化や序列化が優劣や価値の差というふうに解釈されるのは、今の人社会の特徴です。

本質的に、各個人の間に優劣や価値の差はありません。

それらは全て、一時的なものです。

環境や状況が変われば、どのようにも変化します。

 

社会をつくる生きものである人が、どのような要素から成り立っているのか、

それは、社会の特性によります。

 

今の社会の特徴は、言語(概念)によるコミュニケーションが人間関係の中心で、お金や地位のような階層化があります。

近未来の人社会では、言語(概念)によるコミュニケーションは重要な要素ではなくなるでしょう。

そして、お金や地位による階層化もなくなると予想されます。

 

社会の中で生きる人は、各個人全く違った個性や特性があります。

個性や特性には優劣はありません。

なぜなら、多様で多面的だからです。

一面的に数値化することが不可能だからです。

 

路上生活者と首相を比べて、優劣はありません。

ただし、各個人が抱えている問題の量を比べると、少し差があるかもしれません。