人は死を体験できない。

概念(言葉)としては知っているが、

言葉の中身はカラッポ。

 

人は永遠も体験できない。

言葉としては知っているだけ。

 

永遠の別れというのも、人は体験できない。

言葉として知っているだけ。

 

死は永遠の別れになると云えど、

人が知るのは概念としてだけ。

実感もない、そういう事実もないのが当然。

 

従って、死が悲しいというのも、

別れというより、そんな気がするだけだろう。

 

死が人に与える影響は、何もないはず。

そこに死体があるから、

そんな気になるのだろう。

 

人が知っていること、

実感できることは今という瞬間の出来事だけ。

過去も未来も、概念としてあるだけ。

 

ただし、過去の思い出は強烈な場合がある。

ある意味、今の実感よりも濃密。

過去の方が、今よりリアルかもしれない。

 

もし、そのリアルさが強いなら、

たとえ死んだとしても、死者は生きていると同程度と言える。

 

人は死なない、という意味がここにもある。

 

死は、人が抱く幻想の一つだろう。