老人になるといいことばかり。
その一つ、フェイクニュースがすぐわかる。
今朝もネットで、
メキシコで発見された宇宙人の死体とか。
写真を見れば、作りものだと、すぐわかる。
何故、これがニュースになるのか、
それが不思議。
また一つ、イノチについての妄想がなくなる。
どんなイノチでも奇跡に近い。
何故なら、ふたつと生まれない。
この宇宙、同一のものは存在しない。
同じ受精卵(クローン)でも、
全く別の個体になる。
個性や特性が全く異なる。
生育には、周囲の環境が大きく影響するからだ。
全く同一の環境をつくるのは不可能。
クローンといえど、全く異なる。
兄弟以上に似ているだろうが。それだけ。
イノチは尊いという。
しかし、イノチ以上に尊いものは多い。
例えば、子のため、国のため、義のため。
人々はイノチを捨てる。
かつて、武士にとって切腹は名誉。
死刑される者のイノチはどうなる。
誰かの役にたつだろうか。
殺人者が死刑になっても、殺された人が生き返ることはない。
かつて、かたき討ちという風習があった。
武士の家族に、かたき討ちは許可された。
ただし、目上のものが殺害された場合だけ。
助太刀も認められていた。
明治政府は、復讐を禁じた。
かたき討ちは復讐とみなされた。
死刑は、復讐ではないのか。
被害者による復讐を国が代理しているだけ。
当事者が復讐するのはいけないが、
代理人ならいいのか。
おかしな話である。
死刑で正義の顔がたつという意見もある。
人殺しはいけないという正義。
もし、人殺しがいけないというなら、
代理人の人殺しはいいのか。
おかしなことである。
老人になると、魂についての妄想もなくなる。
人のイノチと魂。
イノチがあるのは、意識があるから。
意識がなくなれば、イノチもない、
もちろん、魂もない。