ゲームに熱中するには、

食と睡眠の不安がない、また

大きな心配ごとがないというのも、必要条件でしょう。

だが、稀に、イノチより勝負を優先する人もいますが。

 

ゲームは報酬があるのが普通です。

報酬がなくても、没頭する人もいます。

 

報酬は多様です。

勝つことによる満足や優越感は当然ですが、

脳の働き、推理や読みを駆使して、先を読むという予言能力。

これを発揮できるのも、大きな報酬です。

人生や世界のある部分を完璧に知るというのも、大きな報酬です。

脳が最も喜ぶ報酬です。

脳はシュミレーションや未来予測を好みます。

 

リアル世界で、

報酬は一般的に、お金や名誉や地位で表現されます。

名人や記録達成の栄誉です。

普通人が届かない高みに達する栄誉です。

 

社会の中で生きる人は、このような栄誉と報酬に弱い生きものです。

 

社会の中でルールに従い生きる人々、

生活や仕事の過程で直面するトラブル・問題の大半は、

人付き合いに関する事柄です。

 

人間関係の問題処理に、正しい解答はありません。

個々人の感じ方や考え方の違いが土台にあります。

育ってきた環境や経験による違いです。

全ての人間関係に、何が正しいか、基準はないのです。

 

それに比べ、ゲームではルールが明確。

勝ち負けもはっきりしている。

要するに、正解や正否が明らかなので、

脳は正答を求めて没頭できるのです。

目標が単純だからです。

 

そして勝つことで、脳の報酬系や快感系を刺激。

人がゲームに引き付けられるのは、

このように明確な誘因があるからです。

 

ゲームに習熟するのは、

人が生きる上で、何か役に立つのだろうか。

当然、効能は明快です。

 

人生という短い時間を、

人間関係などの難しい問題を避けて、

単純な目標だけに集中して過ごせるという利点です。

 

リアル世界は、正解のない問題ばかり、

人は悩まざるをえない、煩悶します。

どんなに悩む苦しんでも、解答はありません。

 

しかし、ゲームの世界で、

そういう悩みはないでしょう。

 

もし、負け続ければ、

修行が足りないか、才能がないのか、

人生の進路変更がやむないでしょう。

 

ゲームは単純さがいいのです。

将棋や囲碁も同じです。

 

人の一生は短い。

そして、

人生はゲームほど単純でありません。

 

人の世で、

すべてのルールは破られるためにある。

古いルールは、新しい姿にヘンゲ。

あたらしいファッションに。

 

人の世に普遍性や法則はないのです。