スズメは雑食、だいたい何でも食べる。
米粒は好きだが、炊いたご飯は食べないようだ。
スズメは生きもの。
人も同じ生きもの。
スズメと人で大きな違いがあるのだろうか。
私も若い頃、人とスズメでは比べものにならないと思っていた。
人生経験を経た今、人とスズメはほぼ同じレベルだと思う。
生まれて、食べて、子孫を残して、そして寿命がきたら死ぬ。
まったく同一。
スズメも人も、精神性など高度な知性はもっていない。
本能のままに生きる地上の生きもの。
スズメを眺めていると、人と違いがないのが良く分かる。
今生きて生活している人。
例えば、道行く人はせかせか、行く先は決まっている。
スズメもまた、せかせかとついばみ、次ぎに行くとこを探している。
100年後に生きている人の世界では、
今生きている人の日常細々した振る舞いなど、
全く別世界の出来事。
別の宇宙の話のような。
過ぎてしまった過去ではなく、すべてがなかったと同じ。
歴史に残る事件は、わずかな例外。
しかし、かすかな断片が残るだけ。
考古学で知りえることもささやか。
人の生に重大事があるか、どうか。
私は、そんなものはない、と思う。
スズメの一生と同じようなものだろう。
スズメの集団で、あるとき、その一匹がいなくなる。
その程度の出来事。
人生に重大事があると思うと、
何か、人生が立派で高尚になるのだろう。
だから、多くの人はそう思いたいのだろう。