男と女は、本能的にひかれあう。
私たち夫婦の出会いがまさにそうだった。
人の五感は非常に優れている。
例えば、嗅覚は、分子一つでも感知できるという。
約1万種類を識別できるようだ。
理論的には1兆種を嗅ぎ分けられるという。
今いる場所の匂いも特定できるという。
サケが生まれ育った川の匂いを知っているように。
しかし、人の場合、能力退化が激しい。
五感の中の視覚だけに頼る生活になるからだ。
人の能力は退化しているのが多い。
空間認識能力も退化が激しい能力の一つ。
昔の人類は、獲物を追って長距離移動を繰り返す。
空間認識が発達していないと帰れなくなる。
また、人は、嗅覚だけで、本能的に相手を選ぶことが可能。
しかし、視覚に頼り過ぎる人は、外見で騙される。
男は本能的に女の扱いを知っている。
誰から教えられなくても、女がどういうものか、
中学生くらいになると知っている。
だが、中学生では具体的経験はない。
観念的なまた聞きの知識しかないので、
現実的な行動はできない。
思い込みから動くので、うまくいかない。
高校生になると、具体的経験が加わっていくが、
まだ、自己中心の思い込みが主体。
これではうまくいかない。
成人になると、
相手の女性も大人なので、
互いにひかれあう、オスとメスとなる。
においだけで、相手を選べるのが人の本能。
オスとメスは強くひかれあう。
強くひかれあわないカップルは消えていくのが自然。
残ったカップルでは、
愛という価値づけが始まる。
人の理性は、ものごとを後付けして理由付けする機能。
いろいろと飾りをのせていく。
愛は、そういう飾りの一つ。
夫婦は愛という飾りで結びつくのではなく、本能的な関係。
つづく